【d!】新人詐欺師は私の心も騙してる？【ci】 (ページ4)

今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:36,312 hit

2個目の嘘。ページ4

sideチーノ

Aが実況者になった。

それを友人から聞いた時は、正直チャンスやって思った。
俺の友人達、そう、○○の主役は我々だ!のメンバーとは仲が良かった。
そこそこゲームもしていたし、グルッペンに頼んで入れてもらった。
それから程なくして
ノダア、基、Aとのコラボが決まった。
俺は真っ先に出たいと何度もトントンさんに言った。

あの時...あいつがいなかったら...

チーノ「なぁ、はよ別れてくれへん？もううざいで？」

モブ「そんなにあの芋女がいいの？私の方が...っ？！」

チーノ「Aの悪口言っとんちゃうぞ。お前なんかより何十倍も何百倍も可愛ええわ」

モブ「私のどこがあの女に劣ってるっていうの？！」

チーノ「そういうとこや。人を見下す姿勢、人の粗探ししかせん...なんでお前なんかと付き合ったんやろ...」

モブ「なんて言おうと私は別れないから」

チーノ「っち...ほんまめんどくさいわ...もう二度と話しかけんといてくれ」

モブ「...やめてよ～w」

チーノ「お前...」

『え...誰...？』

しまったと思った時にはもう遅かった。
何時も見ていた綺麗な目から、ポロポロと涙が零れる。
それを拭うこともできず、走っていくAを眺めることしか出来なかった。
俺には、Aを引き止める資格も...
もう無かった。

だからって今になって、Aが許してくれるとも
忘れているとも思ってない。
俺は、Aに謝りたい。
あの時誤解をさせて泣かせてしまったこと
引き止めることは愚か、涙を拭うこともできなかったこと
直ぐに謝ることも出来なかったこと。

もう一度...ただ...あの笑顔が見たいだけ...
俺が崩した笑顔を、もう一度俺に向けて欲しい...
そんな自分勝手な期待も、抱きながら。

コラボの計画は着々と進んで行った。
撮影の日が近づく度に、どんどん心臓がうるさくなって行った。
前日の夜なんかは眠れない程だった。
俺は...9年以上たった今でも、Aのことを忘れられないし
好きで好きでたまらない。
また俺にあの声を、聞かせて欲しい...

『...好き...だよ...///』

ふわりと笑うAと...

『さよなら...っ...』

綺麗に泣くAが、頭の中で交互に駆け巡る。
どうしたら忘れられるんだ...
どうしたら胸にぽっかり空いた穴を塞げるのか...
どうしたら...A以外の女のこと考えられるのか...
何ヶ月も、何年もずっと思ってきた。

これだけでも、伝えたい。
俺の想いを...少しでも...