【d!】新人詐欺師は私の心も騙してる？【ci】 (ページ11)

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9個目の嘘。ページ11

sideチーノ

目を覚ましたノダアさんは案の定昨日の記憶はなく
何故俺の家にいるのかすらもわかっていない状態で。
少しだけ、安心して
悲しくなった...
無理矢理起き上がろうとして頭を抑えたノダアさんを支えて
もう一度寝かせる。
仕事は休みだと言うことで今日は1日俺の家で過ごして貰うことにする。
こんな状態で帰すなんてバカすぎるしな...w
食欲はあるとのことで、今はお粥作り中である。
まぁ一人暮らしは数年している為、自炊などはそこそこできる。
どこぞのポメラニアンとは違うのだ。
弱火でコトコトと米を煮る。
卵を溶いて回しかければふんわりとした卵粥の完成である。
ただ、塩と卵、米だけでは味気ないだろう
別の小皿に梅干しなんかの漬物を添える。
我ながら...美味しそう...w
愛する元カノの為なら上手に飯も作れるらしい。
一人用の小さな鍋と小皿、スプーンも忘れずお盆に乗せて
ノダアさんの寝ている寝室へと足を運ぶ。
ｺﾝｺﾝｺﾝ、と軽くノックをしてドアを開ける。

チーノ「ノダアさん。お粥、作ってきました」

『んぅ...？あ...！いい匂い...ありがとうございます...』

ふんわりと笑う彼女に、やっぱりまだ好きな事を自覚させられる。
自力では起き上がる事すら辛い彼女を支えて
一応、自分で食べられるか聞いてみたものの...

『...無理です...』

すっごい悲しそうな表情をして、俺を見るノダアさん。
そんなに食べたい？w
食に目が無いあの頃の彼女と何も変わっていないようだった。
彼女を壁にもたらせて、持ってきたスプーンでお粥を掬う。
作りたてでまだもくもくと湯気が立っている。
軽くフーフーと冷ましてから、熱くないか自分の唇に当てる。
程よく暖かく冷めたお粥を彼女の口元へ持っていく。

チーノ「はい、あー...ん？」

『...』

持っていったが、彼女はそっぽを向いてしまった。
あれ...あーん嫌いだったっけ...？
食べないんですか？と聞けば、聞き取れない様な小さな声が聞こえた。
小さすぎて内容は全くわからなかったので、もう一度聞いたら

『く...唇...つけたじゃないですか...っ』

耳まで赤く染めてそう言うノダアさん。
え？間接キス的な？
意識したの？可愛すぎん？
え...結婚しよ？←

チーノ「別に、キスしたんですし、これくらいええでしょ？」

『ほ、掘り返すなぁ！』

少しからかってあげれば、頭の中には昔の記憶。
あの時も似たようなことしたなぁ...

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チーノさんのセリフの名前表記を全て変更致しました。