敵の狙い ページ19
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「これで全部か。弱えな」
額から流れる汗を拭って勝己が言った。
倒壊ゾーンでは敵vs勝己と切島による戦闘が繰り広げられていたが、圧倒的なパワーと接近戦に対する勘の良さが功を奏し、勝己と切島はほぼ無傷のまま戦闘を終えた。
切島はすぐさまクラスメイトを助けに行こうと勝己を誘ったが、切島の意思に反して勝己の主張は「敵の総元締めであるあの男とワープゲートを潰しに行く」ということだった。
「攻撃手段少ねえAとか心配じゃねえの…？」
「俺らに充てられたのがこんな三下なら大概大丈夫だろ。あいつは…」
まだ動く力が残っていた敵の不意打ちの攻撃にも勝己は俊敏に反応した。
「そんなヤワなやつじゃねえ」
切島は思わず笑みをこぼした。
短気で喧嘩っ早いやつだと思っていたが、同時に現状を迅速に分析することが出来るだけの知性と冷静さを勝己は持っている。
こいつはすげえと切島は思わずにはいられなかった。
＊＊＊
その時無事に敵を倒し水難ゾーンを脱出した出久、蛙吹、峰田の3人は、敵の親玉らしき青年とクラスメイトを散り散りにさせたワープゲートのやり取りを2人の死角から息を凝らして見つめていた。
2人の足元には敵に押さえつけられ身動きの取れない相澤が横たわっている。
どうにかして相澤の救出を試みようと機会を伺っているものの、1人の生徒に応援を呼びに行かれたために今回は引き下がろうとする2人の会話に、出久たちは思わず自分の耳を疑った。
この敵たちの真の目的は何だ？
オールマイトを殺すことが目的ではなかったのか？
訓練場とはいえ雄英の本拠地に正面から乗り込むリスクを冒しながら、こうもあっさり引き下がるのはなぜだ？
様々な憶測が出久たちの脳内を飛び交う。
しかし、敵たちが撤退しようとしているのも確かなようだった。
ーーー助かった。
束の間の安堵が、出久たちの胸を駆け抜けた時だった。
「…けれどその前に平和の象徴の矜持を少しでも」
気がついた時には視界いっぱいに、狂気に満ちた瞳が広がっていた。
「へし折ってから帰ろう！」
目にも留まらぬ速さで男の手が蛙吹の頭に伸びる。
あまりの唐突さに、3人とも微動だにせず、ただそれを食い入るように見つめていた。
土砂ゾーンから戻ってきたAは、目の前に広がる光景に目を見開いた。
『出久！梅雨ちゃん！峰田！！』
間に合ったかわからない。
Aは個性を発動した。
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スカイ(プロフ) - コメ返してくれてありがとうございました！めっちゃ面白い...最高です！今後に期待します！ (2018年6月19日 20時) (
レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
卯月(プロフ) - スカイさん» 感想ありがとうございます！勢いで書きなぐっておりますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです＾＾ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 23b7097a95 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - 本当に好みのシチュです！完結まで絶対見ますねー (2018年6月17日 19時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ - 面白いです！頑張ってくださいね！ (2018年6月17日 16時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月 | 作成日時：2018年6月13日 14時
