実力派轟くん ページ18
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「散らして殺す…か。言っちゃ悪いがあんたらどう見ても個性を持て余した輩以上には見受けられねぇよ」
「こいつ…！移動してきたとたんに…！」
「本当にガキかよ…いっててて…」
足先から頭頂に至るまでを反撃の余地なく分厚い氷で覆われた敵たちは、覆われなかった口だけで苦しげに声を発した。
さらに敵を威圧するように、ゆっくりを歩みを進める焦凍の一歩後ろをAも続く。
「なあ。このままじゃあんたらじわじわと身体が壊死してくわけなんだが、俺もヒーロー志望。そんな酷えことはなるべく避けたい」
敵の前にしゃがみ込み、相手を思いやるような言葉とは裏腹になおも高圧的に焦凍は続けた。
「あのオールマイトを殺れるっつう根拠…策って何だ？」
焦凍の目が細まり、眼光が鋭さを増す。
圧倒的強者の風格に気圧されながらも、敵の一人が気力を振り絞って「誰がてめぇなんかに口割るかよ！」と強がった。
「…そうか…」
さも残念だという風に目を閉じ、氷の威力を強めるべく右手を翳したところで、焦凍はふと思い立ったように後ろにいるAを振り返った。
「…お前の個性、さっき相手の好意をコントロールできるっつってたよな」
試すような、からかうような目つきで焦凍はAを見つめて笑った。
「ちょうどいい機会だ。見せてくれるか？個性」
こ、この雰囲気のなかで―――！？
自分が出ずとも、焦凍がもう少し鎌をかけるだけで敵は必ず有益な情報を吐くだろうとAは確信して疑わなかったが、焦凍が興味のあるような顔でこちらを見つめてくるのでやらないわけにはいかない。
というか、さすがに焦凍一人に全て任せっきりでは雄英高校ヒーロー科の名が廃る。
意を決したようにAは頷いた。
『よ…よしわかった。いやなんか緊張するな。そんな大したもんじゃないんだけど………あっ！』
「おっと」
気合を入れてやろうと決めたすぐ、あろうことかAは、焦凍の氷に足を取られ大きく体のバランスを崩した。
あっ転ぶ―――目をぎゅっと瞑った瞬間、二の腕を強い力で掴まれ、上へと引っ張り上げられた。
驚いて目を見開くと、すぐ近くに焦凍の顔があった。
目と目が合う。
その時、Aは初めて焦凍の左右の瞳の色が違うことに気がついた。
黒とエメラルドグリーンのオッドアイに、自分の姿が映されている。
思わず、綺麗だな、と思った。
「大丈夫か？」
焦凍が笑う。
『ほんと恥ずかしい…消えたい…』
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スカイ(プロフ) - コメ返してくれてありがとうございました！めっちゃ面白い...最高です！今後に期待します！ (2018年6月19日 20時) (
レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
卯月(プロフ) - スカイさん» 感想ありがとうございます！勢いで書きなぐっておりますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです＾＾ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 23b7097a95 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - 本当に好みのシチュです！完結まで絶対見ますねー (2018年6月17日 19時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ - 面白いです！頑張ってくださいね！ (2018年6月17日 16時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月 | 作成日時：2018年6月13日 14時
