二十四話 ページ25
骨ばった指先は湯を揺らした
生白い肌色に、痛々しくも浮く骨
「はぁ」
身じろぎをする度に湯は揺れるがもうA自身は疲れきってしまっていた。何より、体力も、体調も、最悪だった
気力で笑顔を作るのが精一杯であり、正直今沈んでいる湯船から立ち上がることも難しく億劫に感じている
ぴちゃん。と水滴か゛したたる中、上からふっと人影が落ちてきた。
「⁉︎って」
口を塞ぐように当たられた手はグローブで隠されている。深く被ったフードに、ごついガスマスク。
ゾムくん。
口パクでいえば軽く頷いて手を口から離してくれた。
そして何処からか一枚の紙を掲げると読むよう目の前に出されるので読む。
やあ、A。
こちらはグルッペン。
前置きは省略させていただく。
▲月⚪︎日の朝××時にカーナ国に対して戦争を仕掛ける。
Aはそれまで普通に過ごし、開戦の合図と共にレパロウの指示によって避難を命ずる。
それではまた、勝利の旗を掲げた時に会おう。
グルッペン
読み終わったことを示すように丸を作るとまた一つ頷いた。
ゾムくんの表情は伺いしれない。
沈黙を置くと、ゾムくんはその手のグローブを外した。
指が目元をすぎて、沈みきれていない胸元まで滑る
指は、なぞる。
ま
か
せ
な
ま
た
な
ゾムくんは描き終わると同時に手袋を嵌め直してまたふっと天井の通気口へと消えて行った。
嗚呼、私も。
こっちのことはまかせて。
ざぱりと湯船かろ立ち上がると、私は私を着替えさせるために待っている人の元へと脱衣所へと脚を進めた。
ーー
濡れた髪に、痩せ細った体。
肩の骨は浮き出て、鎖骨も深くまで見えてしまっている。
「(アレに手を出そうなんて思えへんな。この国の王って特殊性癖なんか？最悪やな)」
顔色も悪い
目を閉じたらもう開かないのではないかと思う程にゾッとした。
生きていて欲しい。
生きていてよかった。
そう思たのに、アレではほぼ死んでいるのと同じやろ
＜フィージャは人を狂わせる天才なんだ＞
らっだぁが泊まる部屋の奥でうっすらと笑みを浮かべてらっだぁはそう言った。
＜誰もがアレを欲しがって、狂った＞
カーナの人間も、
フィージャを見たことある人間も、
あぁ、コネさんも会ったことがあるんだっけ？
そして、俺も。
フィージャが目に焼きついて離れないんだ。
ーらっだぁの目はぐるぐると闇を待っていた。
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あまね(プロフ) - すきいいいいいい (10月6日 12時) (
レス) @page24 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
キサラギ(プロフ) - レパロウくん、じゃないですか？我々だの新メンバーの名前、レパロウですよ、、？ (2024年4月13日 21時) (レス) @page11 id: 8dc6e15b86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chu!河合 | 作成日時：2023年12月24日 19時
