ロイヤルミルクストーリー (ページ8)

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SHOTA side

おかしなアルバイトがやって来た。

今どきの男子高校生は甘いものが好きなんやねんなぁ。

可愛いなぁとさえ思って感心していた。

のに、まさかまったく違う目的に正直ビビった。

「好きなんですっ！あなたが、タイプなんです！」

「は？」

「あ、や、好き … っ、

好きなんですっ、あなたがっ！」

何こいつ、何言ってんの？

怖くなって隣りのマルに助けを求めた。

だのに、

「では、佐野くん。採用」

おおーいっ、なんでやねんっ！！

あれよあれよと話が決まって半月経ったバイトくん。

ギャルソン姿、背が高いから様になってるんムカつくなぁ。

要領もええし覚えもええ。

たまに変な妄想癖があってひとりブツブツ何か言ってるんはやばいけど、素直や。

素直なんがええ。

「章ちゃん、新しいメニューの事なんやけど。章ちゃん？」

「え、あ、なにっ？」

お客もいない昼下がり、花壇に水をやる佐野を見ていたなんてマルが喜びそうなやつやん。

案の定、

「佐野くん真面目でええ子やなぁ」

ほら、にやにやしとるし。

「普通の子やん。普通がええ。普通が1番や」

「そんな子に好かれて正直章ちゃんはどうなん？」

「どうって？何ゆーてんの？」

「真っ直ぐな好意にどない思ってるんかなーって。だって見ていても可愛いし擽ったいねんもん」

「マールー、ニヤケづらきもいー」

「ひどっ」

「普通な子やで？後輩が先輩に憧れる思春期独特のやつやろ。可愛いよなーと思うよ。ただそれだけ。いっときのやつやん」

「割り切ってるん大人〜。でも俺は佐野くんを応援しちゃう」

「面白がるなやー」

「やって、おもろいやーん。青春やん、アオハルやんっ」

「お、アオハルが汗だくになって帰って来た」

水撒きを終えた佐野は汗だくでも爽やかに笑ってる。

「佐野、タオル」

真新しい、佐野に似合いそうな鮮やかな緑のタオルを投げてやる。

「あ、ありがとうございますっ！
はぁ… っ、章大さんの匂いがするっ！」

「やめて、変態」

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