ロイヤルミルクストーリー (ページ36)

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うわっ、機嫌わるっ。

「はいっ、今行きますっ」

「晶哉、洗い物しとくから行ってき」

「ありがとう、章大さん！ごちそうさまでしたっ」

片手を軽く上げて、食器を片付けてくれた。

「8番と12番テーブルのオーダー頼むわ」

「はいっ」

大倉さんにすれ違いざま伝票を渡される。

テイクアウトのお客さんも多くて章大さんも接客に追われ出していた。

「明日から季節のメニューを取り入れるからインスタで宣伝したんよ」

閉店後、今日の昼からの混み原因のネタバレをしたのはマルさん。

「インスタデビューおめでと」

「人ごとちゃうやろ。そのおかげで大忙しやんっ。まぁ、その分いっぱい作ったらええだけやねんけど」

「えっ、フォローするっ。アカウントはお店の名前でいいん？」

「そやでー。さすが男子校生は対応早いな〜」

「俺もしとこ」

「え、おーくらもインスタ出来るん？」

「その質問おかしいやろ。俺もインスタしてるよ。ヤスは？」

「や、俺もやけど」

「章大さんフォローの仕方わかる？」

「わかるわっ」

「それはわかっとらん言い方やな」

笑った大倉さんが章大さんのスマホを覗く。

しくった。

出遅れた。

仲良さげにスマホ見て笑い合ってるんめっちゃジェラシーなんやけどっ。

「そや、マルちゃん。次の定休日っていつなん？」

「次は9月11日やよ。章ちゃんの誕生日」

「え、そうなんっ？」

ほんま？

「あー、そんなん忘れてたわ」

「えっ、え？その日、章大さんの誕生日で定休日なん？それなら … 」

そのお休みの日を俺にくれへんかなっ？

だって、これはめちゃくちゃチャンスやん！

なのに、大倉さんに遮られた。

「その日は俺とヤス出掛けるから急用は無しな」

「2人でどこ行くん？」

「近場やけど温泉行ってくる」

「ええっ！？そんなんずるいっ！！」

「ずるいってなんやねん」

睨む大倉さんに怯んでる場合ちゃうっ！

そんなん絶対阻止せなあかんやつやもんっ！

「まさやー、温泉まんじゅう買ってくるな」

「いややーっ、俺も行きたい… っ」

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