ロイヤルミルクストーリー (ページ22)

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好きな人に名前呼びして貰えるよーになりました！

これは俺の頑張りの賜物。

ちょっとした進展っ？

いやいや、大進展やと思う！

だって、調理場に入るのを許してくれた。

今やクリーム泡立てるのも俺の仕事になりつつ、お客さんにはまだまだ出せないけどマカロン作りも教えて貰えるようになった。

すごくないっ！？

朝のお客さんが少ないちょっとした時間と閉店後だけやけど、章大さん直伝の指導と楽しいお菓子作り。

良い香りに包まれて幸せな気持ち。

何より章大さんと一緒に過ごせるこの時間が至福で… っ

でもっっ！

夏休みが終わってまうっ！！

「やっほー！佐野くんきたよー」

「えっと、いわさき … 」

「山﨑やし！もぉ、ひどすぎやわー。せっかく友達3人も連れてきてあげたのにー」

こんにちはーって、みんな私服で同じ高校生には見えへん。

「ようこそ、chouetteへ。お嬢さま方、奥のお席へどうぞ」

にっこり二枚目スマイルを浮かべたマルさんが案内役をしてくれた。

さっすが、大人の男の色気ムンムン。

この人は天性の女好きやなーって改めて思ったり。

「いらっしゃいませ、メニューをどうぞ。お決まりになりましたらお声を掛けて下さいね」

大倉さんがとびっきりの営業スマイルで給仕する。

あー、みんな目がハートになってる…

「晶哉。3番テーブルに運んで」

可愛く飾られた苺ミルフィーユのプレートを章大さんから受け取る。

にっと笑う章大さん。

きゃわいい …

きっと、俺の目もハートになってるっ。

「お待たせ致しました、苺のミルフィーユでございます」

「美味しそー！かわいいっ」

そうやろ、そうやろ。

章大さんが作ったんやもん。

「すみません、あの、パティシエの方って彼女いたりするんですか？」

「へ？」

「素敵やなぁって前から思ってて… 、ギャルソンの方もかっこよくてこのお店のファンなんです！」

目をキラキラして話す綺麗なおねーさん。もとい、お客さま。

「彼女 … 、ど、どうですかね？はは … 」

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