しょーたのお暇

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「かわいいが滲み出てるん」

え？

ええ？




「 ちょ、冗談っ、 やね？」


迫る、おーくらのイケメン顔。




近い近い近いっ。


キスされるっ。


なんでっ？




あと、数センチ。



「あ、の、っ！ 俺 、男やからっ！」


かわいいなんてありえへんしっ、このシチュもおかしいよ！？


「でも、彼氏おったんやろー？」


「お 、おったけどっ」

「おったけど？ なにー？」


ええっ？

ちょ、ほんま訳わからんって！


「やって、ヤスかわいいねんもん」



── そのアンサー、意味分かりませんっ。



焦りつつ、他からの視線を感じて辺りを見渡すと、


「 おーくら、めっちゃくちゃ人が見てるからっ」


「ふはっ！ ほんまやな、めっちゃ人見てるなぁ」


まるで他人事みたいなセリフに、

何事かと周りに人が集まってるんにもビビるっ。




こ、公衆の面前でこれはホンマあかんから！




「も、もぉっ、からかわんといてよ … 」


起き上がって慌ててその場を離れた帰り道、まだ心臓の音がばっくばく。


「あはは、ごめんごめん。でも、円形に人が集まってきて面白かったなぁ。まるで儀式みたいな？」

「そりゃそうやって！昼間っから野外であんな事してたら！」

「ふはっ、昼間の野外やなかったらアリやったん？」

「だから、からかったらあかんって！ あ、もう15時やん！ えっと、おーくらはこの後 時間あるの？」

「ん？」

「良かったら、このあと俺の部屋にこーへん？」



おーくらは意外そうな顔をして、



「いいけど、いーの？」


「おん！」


「… 意外と奔放 ？」


「？」


「行く行く！ じゃ、帰ろっか」


俺の肩を抱いて歩き出す。


この短時間で距離感縮む速度について行くん、ほんまジェットコースター並みやなぁって、


ハラハラドキド キながら ときめいたり。






けれど、


楽しかったなぁ、ランチ。





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