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あれは、夢だったのかもしれない。
人生で一番豪華な合コンから、1週間が経った。
私は、すごくすごく悩んでいた。
推しからCDを手渡してもらえる、という、めちゃくちゃ最高なイベントがある。
当選メールが、合コンの翌日に来たのだ。
合コンに意識をすべて持っていかれていて、応募したことすら忘れていた。
行きたい。
でも、私が行ったら、としみつは困っちゃうかもしれない。
悩みに悩んでいる間に、いよいよイベントは明日。
結論は出ていないけど、とりあえず念入りに顔の調子を整える。
化粧水を叩き込みながら、まだ悩む。
嫌な顔されたら、どうしよう。
いや、むしろ顔忘れられてるかも。
何百人もいるし、私のことなんて気づかないかも。
パックして、ストレッチして、お肌のために早目に布団に入る。
なんだか、行く気満々じゃない?
いや、でもまだ決めかねている。
当日。
悩みながら寝たせいで、夢に何回もとしみつが出てきた。
幸せな目覚め。
悩んでいてもしょうがない。
行ってみよう。
これからも応援してる、って言ったんだもん。
ちゃんと、ファンとして応援しよう。
イベント会場へ、向かう。
会場には、緑色のアイテムを身につけた女子がたくさんいた。
みんな、としみつが大好きで。
こうやって一生懸命会いに来る。
なんか、感動するな。
なんてじんわりしていると、いよいよイベントが始まった。
列に並んで、自分の順番を待つ。
としみつの声がする。
あぁもう、泣きそう。
やっぱり、大スターなんだ。
1週間前の記憶が、一気に現実味無くなってくる。
私の順番が来た。
心臓が爆発しそう。
そーっと、としみつの前に立つ。
『CD発売、おめでとうございます』
と「ありがとー」
としみつが、CDを差し出して、固まった。
と「…A」
驚いた顔。
覚えてくれてたんだ。
CDを受け取る。
なにを話そうか、なんていっぱい考えていたのに、頭真っ白でわからなくなる。
と「あー…待って」
頭を掻いて、側にあったボールペンを手に取った。
『え?』
と「ちょっと、一回返して。それ」
今受け取ったばかりのCDを指差す。
訳もわからず、CDを渡した。
サイン入りのCD。
としみつは躊躇なくそれを開けて、中の歌詞カードに、何か書いている。
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こは(プロフ) - 胸が…ぎゅーーーってなった……すきです…ありがとうございました…(?) (2020年4月23日 12時) (レス) id: 78e7bcbdad (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - う、うわぁ、ありがとうございます、ちゅっちゅさんの文才ありすぎ羨ましいです、、、頑張ります泣 (2019年7月19日 8時) (レス) id: f2a0ee3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっちゅ(プロフ) - ぴさん» ぴさんの見てます!(笑)がんばってください(笑)ありがとうございます!! (2019年7月19日 1時) (レス) id: 28ddd181e2 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 何回読んでもキュンキュンさせられます! (2019年7月13日 1時) (レス) id: af508cf9f8 (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - キュンキュンが止まらない作品でした!ありがとうございます!また新たな作品も楽しみにしております! (2019年7月12日 7時) (レス) id: 08df1f4a97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅっちゅ | 作成日時:2019年6月12日 1時