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ボール遊びしたり、お喋りしたりして、ぐだぐだ過ごして。
そろそろ帰るかって空気になった時、てつやが思い出したように手を叩いた。
て「あ!ナナ!」
「なに?」
て「LINE教えて!」
「え、今?」
ていうか、連絡先交換してなかったのか。
ナナは笑って、いいよっててつやに携帯の画面を見せる。
ミキはりょうくんのLINE、ナナはてつやのLINE知ってるって、すごくない?私の友達。
なんて考えながら、顔を寄せ合って携帯の画面を見るてつやとナナを眺めてて。
後ろからとしみつが近づいてきてるのに、気づかなかった。
と「なぁ」
『んー?…わっ』
今日初めて話しかけられた。
ていうか、今日はもう話しかけられないかと思ってた。
心臓が激しく動き出す。
必要以上に驚いてしまった私に、としみつは困った顔をした。
と「俺らも、しとくか」
『え?なに?』
必死で、落ち着いた声を出す。
なに?なにをしとくの?
と「なにって、だから」
落ち着きなく髪を触って、りょうくんの方を見た。
私の角度から、りょうくんの表情は見えない。
りょうくんの顔を見たとしみつは、ちっ、と舌打ち。
え、今から私、怒られるのかしら。
と「俺らもLINE、交換しとくかっつってんの」
としみつが、ポケットから携帯を出して言った。
理解が追いつかない。
私が?としみつと?
『…なんで?』
と「はぁ?…なんでって」
私に向けられた携帯が、ゆらゆら揺れる。
と「嫌ならいいんだけど」
『え、する』
ねぇ、としくん。
考えてることがまったく分かんないよ。
落としたり、期待させたり。
感情が忙しい。
私の画面のQRコードを読み取る、その手すら愛おしい。
指輪、かっこいいなぁ。
動画でつけてるの見て、おそろいにしようと思って調べたら、馬鹿みたいに高くて諦めたんだよね。
聴く曲も、服のブランドも、推しの好きなものに影響されてたくさん知って。
そして。そんな推しと、今。
LINEを交換している、だと…?
私のアイコンを見て、としみつがふっと笑う。
と「もう。アイコンまでガチ勢だがや」
『あっ』
あああ。変えとけばよかった。
まさか、交換していただけるなんて予想もしてなかった。
アイコンが。爆イケとしくんだ。
また引かれてしまった。
落ち込んでいると、携帯が鳴る。
と「送っといたから」
見ると、可愛いスタンプがひとつ。
えぇ…幸せ…
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こは(プロフ) - 胸が…ぎゅーーーってなった……すきです…ありがとうございました…(?) (2020年4月23日 12時) (レス) id: 78e7bcbdad (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - う、うわぁ、ありがとうございます、ちゅっちゅさんの文才ありすぎ羨ましいです、、、頑張ります泣 (2019年7月19日 8時) (レス) id: f2a0ee3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっちゅ(プロフ) - ぴさん» ぴさんの見てます!(笑)がんばってください(笑)ありがとうございます!! (2019年7月19日 1時) (レス) id: 28ddd181e2 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 何回読んでもキュンキュンさせられます! (2019年7月13日 1時) (レス) id: af508cf9f8 (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - キュンキュンが止まらない作品でした!ありがとうございます!また新たな作品も楽しみにしております! (2019年7月12日 7時) (レス) id: 08df1f4a97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅっちゅ | 作成日時:2019年6月12日 1時