家族の様子 ページ28
壱馬side.
Aにしっかりと抱きつくれんとの首をくすぐると
腕の力を緩めて首をすくめた
その隙に脇に手を差し込んでAから引き離す
引き離したはいいものの
下ろすか下ろすまいか…悩んで数秒
北｢れんとくん、おいで｣
北人が近づいてきて
れんとに手を伸ばした
大人しく言うことを聞いて北人に抱っこされる
俺は嫌がったくせに…なんだこいつ
北｢ママ、きっとれんとくんのこと探してるだろうし、俺らと遊んでたら会えるよ｣
れ｢…うん｣
翔｢あかん、俺甥っ子とかおらへんから遊び方分からんで｣
北｢俺と翔吾でれんとくん見てるから、2人遊んできたら？｣
『わたしはれんとくんのそばにいます！』
翔｢振られた…笑｣
壱｢…あ？｣
翔吾を軽く睨みつけてから
数分れんとが持ってたビーチボールで遊んでた
北人が子ども好きなだけあって
遊び方がうまいのか、れんとがすごい懐いてた
翔吾は常に一歩遅れてる感じ
Aと北人と、れんと
嫌な予感がして一度目を閉じる
深呼吸して目を開けたら
そこにいたのはさっきまでいた3人じゃない
母さんと、父さんと…俺
まだ笑顔が溢れてる時
楽しそうに3人で、遊んでる
壱｢…はぁっ、｣
違う、違う
もういないんだ
俺を見て笑ってくれる2人は、もういない
それなのに勝手に脳が重ね合わせて
戻ってくるはずのない優しい家族の様子を見せつけてくる
知らない、俺はこんな幸せ…知らない
思わず頭を抱えて俯く
勝手に息があがる
動悸が激しくなる
まだ残暑が残る9月なのに冷や汗をかく
体中が小刻みに震えだした
俺は…まだこんなに、
れ｢かずま？｣
壱｢はぁ…はっ、え…？｣
力強く閉じていた目を開けたら
いつの間にか目の前にいたれんとが不思議そうに俺を見ていた
…れんとだ
小さい頃の俺じゃない
れんとは…こんな辛さ知らなくていい
真っ直ぐに俺を見つめるれんとに視線を合わせるために
しゃがみ込んで頭を撫でる
そしてそのまま軽く抱きしめた
壱｢…大丈夫。ごめんな｣
れ｢うん？｣
壱｢れんと？｣
れ｢なに？｣
壱｢我慢なんて、しなくてええんやで｣
れ｢がまん？｣
壱｢思ったことは全部言え。楽しいも嬉しいも悲しいも寂しいも、隠さなくていい｣
れ｢……｣
壱｢…まだよく分からんかもしれんけど｣
そう言って、れんとと目を合わせた
.
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美憂(プロフ) - 超楽しかった。最近ランペにハマり始めてましてる私にとってはニヤニヤしながら読みました！続きももちろん読みます！ (2020年9月22日 10時) (
レス) id: 35846edb09 (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - すっごく面白かったです！！俺様壱馬くん最高です！！キュンキュンしっぱなしでした！！ (2019年8月24日 21時) (レス) id: 26fdb241fb (このIDを非表示/違反報告)
ほくちゃん(プロフ) - このおはなし大好きです(^^)迷子の男の子、息子と同じ名前でめちゃめちゃびっくりしました！！そして勝手に嬉しくなりました！ (2019年7月24日 23時) (レス) id: 070cdb389c (このIDを非表示/違反報告)
プリン - めっちゃ面白かったです！1番好きなのは北ちゃんとかずま君が取り合ってるところです！！ホントにサイコ―でした！！これからも新しいお話作ってください！！応援しています！！！ (2019年7月22日 20時) (レス) id: 1bd7c0e833 (このIDを非表示/違反報告)
RMPGLOVE - めっちゃ泣けました。本当に感動しました！！！！ (2019年3月3日 10時) (レス) id: 62ace1acba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん
| 作成日時：2018年8月28日 18時
