アソビゴコロ３【川村壱馬】

男の子 ページ25

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翔｢いつの間にかおらんねんもん。溺れたんかと思ったわ〜｣


壱｢俺が溺れるかよ｣


北｢壱馬じゃなくてきゅまちゃんだよ｣


『わたし！？』






あの後、なかなか岩谷先輩たちと合流できなくて
結局5周した流れるプール

5周目でやっとあの滝に打たれてる2人を見つけて一緒に流れてた

流れるプールに入っただけなのに
バケツの水を浴びたかのようにびしょ濡れになってる4人
これはもしかして…青春…？






壱｢何とぼけた顔してんだよ。行くぞ｣


『え？』


翔｢きゅまちゃん、クレープ食べよ。味どれがええ？｣


北｢俺、アイス入ってるのがいいな〜｣






いつの間にかクレープを食べるという話になってたらしく、3人は相談してる
食べたい、けどロッカーの中にお金置いてきちゃったし…
そう思って会話に参加せずにいたら
岩谷先輩が携帯をいれた防水ケースをひっくり返して笑った

その中には野口英世さんが数名






翔｢きゅまちゃんの分は後から壱馬に請求するから気にせんでええよ！｣


壱｢なんで俺がこいつの分払うんだよ｣


北｢じゃ、俺払うよ｣


壱｢…俺が払う｣






ぶっ、と吹き出した岩谷先輩に軽くパンチをする壱馬先輩
…壱馬先輩の吉野先輩に対する対抗心は一体何なんだろう

わたしはカスタードチョコバナナ味をお願いして
岩谷先輩が4人分の代金を支払う
キャー！という声が響いて、声がした方を見ると大きいウォータースライダー

…こわそう
絶叫系と同じ感じなんだよね
わたしは乗れないなぁ

そう思ってウォータースライダーから視線を外したら
サッカーボール型のビーチボールを持って歩いてる男の子がいた

その顔は少し不安そうで
見る限り周りには親と呼べそうな人はいない
もしかして、迷子？

声をかけるか迷ってたら
壱馬先輩がいちばん最初にわたしにクレープを渡してくれた

それを受け取ってふと思う
クレープを利用して話しかけたらいける…！？
若干不審者みたいなんじゃないか、という不安を残しながら
小走りで男の子に近づいた






『あの、ぼく…良かったら食べる？』


？｢…ママにしらないひとからものもらっちゃだめっていわれてる｣


『あ、そ、そう…だよね。あの…ママは？』


？｢…、｣






ママは？ そう聞いたら俯いてしまった男の子
やっぱり…はぐれちゃったんだ
こういう場合は、えっと…運営の人に、






？｢くれーぷ、｣


『え？』


｢…たべたい｣






そう言って、わたしを見上げた




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