アソビゴコロ 〜Wedding？〜８【川村壱馬】

いい時間 ページ42

.




話をそらすために双子ちゃんの話題を出すと
嬉しそうに話し出した






星｢今日は母さんが休みだから保育園の迎えとかやってくれてるんだ。だから超久しぶりに友だちと放課後遊んでる｣


『わぁ、よかったね。ちゃんと高校生してる』


星｢高校生でいられんのもあと5ヶ月だしね〜。2月からは自由登校になっちゃうし。遊べる時に遊んどかないと｣


『うんうん、大事だよ』


星｢Aせんせーも息抜きしなきゃだめじゃない？｣


『え？』


星｢顔、良くない｣


『悪口…？』


星｢あれ？えーっと…、言い方間違えたかな。とりあえずいつものにこにこ〜ってしたAせんせーじゃないから｣


『うそ、』


星｢壱馬さん？｣


『え"…っ』


星｢やっぱそうだ。溜め込むのよくないぞ〜。Aせんせーの話ならいつでも聞くからね｣


『…ありがとう』


星｢じゃ！引き止めてごめん！またね！！｣






ヒラヒラと手を振ってその場を後にした
星羽くんは変化に気づいてくれる子ではあるけど
星羽くんにバレて壱馬先輩にバレないわけがない

壱馬先輩の察知能力すごいからな
どう頑張ったって太刀打ちできない

壱馬先輩のことだ
自分が言ったことを気にしてるって思ったら
余計な気を使わせてしまうかもしれない

そんなのは絶対に嫌
でも素直に自分の気持ちを話してくれた壱馬先輩の意思も無下にするわけにはいかないし、
もし、もしバレちゃったら
正直に話してみてもいいのかな

嘘は、つきたくないもん

うんうん、と一人頷いて
お目当てのお店まで来た

何がいいのか全く分からない腕時計初心者のわたしは
スタッフさんに助けられながら壱馬先輩に似合いそうなものを選んでラッピングしてもらった

時間を見ると
今から帰ってご飯を作っていい感じの時間

壱馬先輩に会える実感が湧いてきて
ソワソワ落ち着かなくなってくる

やっぱり外に出てよかったな
星羽くんのうれしい報告も聞けたし
頭を整理するいい時間になったかも


今日は壱馬先輩が好きなお肉にしよう
早く会いたいな

買ったプレゼントをテーブルに置き
壱馬先輩の帰りを待ちながら晩ご飯の準備を始めた




.

出来る限り→←おめでとう

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す