手持ち花火 ページ16
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『あっ、おかえりなさい!お話できた?』
星「できた!」
『よかったよかった。星羽くん、お腹空いてない?良かったら一緒に食べ…むぐっ、』
壱「帰んぞ」
壱馬先輩もいつもの調子に戻ったことだし
3人でお昼ご飯でもどうかなぁって思ったのに
壱馬先輩は後ろからわたしの口を塞いで玄関に向かってしまう
星「Aせんせーわかってないなぁ。壱馬さんは久しぶりにイチャイチャしたいに決まってるじゃん」
壱「は…っ!?」
星「俺は大丈夫!また誘って、Aせんせ」
壱「…二度と誘うか」
星「なんでですか!笑」
星羽くんにろくにお礼も言えないまま
引きずられるようにマンションを出た
しっかりわたしの荷物を持ってくれるあたり
優しくて大好きなんだけど…
『壱馬先輩!お昼くらい星羽くんと一緒でも良かったじゃないですか。まだ怪我だって完治してないのに…』
壱「…お前はあいつといたかったわけ」
『そういうんじゃないです。仲直り記念と思って』
壱「喧嘩してねぇし」
『でも…』
壱「…星羽の言う通りだよ」
『え?』
壱「さっき星羽が言ってたろ。その通りだって言ってんの」
さっき…?
星羽くんが言ったこと、ええと…
" 久しぶりにイチャイチャしたいに決まってるじゃん "
…だよね、え?
つまりそういうことだよね
え!?
『壱馬先輩がかわいい…』
壱「…あ?」
『素直に言ってくださいよ!』
壱「顔面ゆるゆるの奴に言いたくねぇよ」
『表情筋が鍛えられますよ』
壱「…はぁ」
呆れたようにため息をつくけど
そっとわたしの手を繋いでくれる壱馬先輩
いつもいつも言葉と行動が合ってないんですよ〜って
好きだなぁ、ほんと
『そうだ!ちゃんと1回病院行かなきゃですね』
壱「あー…そうだな。バイト先にも連絡しなきゃだわ」
『あと吉野先輩と岩谷先輩にも!』
壱「あいつらか〜…。その前にさ、」
ぎゅ、と握る力が強くなったと思ったら
花火大会 と小さく声を出した
壱「花火大会、行かなきゃじゃん」
『え…、もう終わっちゃいましたよ、?』
壱「一緒に行かねぇと終わんねぇだろ」
そう言って、持ってた大きい袋から
手持ち花火の袋を見せた
『これ…』
壱「さっき急いで買ってきた。…今日の夜、花火大会連れてってやるよ」
照れ隠しからか ぐい、と強引にわたしを引っ張った
一緒に、って言葉が何よりうれしい
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ka - 最後のセリフ最高です、、泣 (2020年8月7日 2時) (レス) id: f02151f772 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - お忙しい中、更新ありがとうございます(; ;) (2020年8月2日 13時) (レス) id: 3116574168 (このIDを非表示/違反報告)
みんと(プロフ) - 壱馬先輩に嫉妬するのに自分は男の子に頼るのダメよーーー( ; ; ) (2020年7月31日 2時) (レス) id: 4132465481 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 更新ありがとうございます(泣) 主人公ちゃんの気持ち、めちゃくちゃ分かりますー!!色々あったから、不安になっちゃうんですよね…。主人公ちゃんのモヤモヤが晴れますように。 (2020年7月26日 14時) (レス) id: 3116574168 (このIDを非表示/違反報告)
マンゴー(プロフ) - 今日の投稿おしまいですか?? (2020年7月26日 14時) (レス) id: 9c9baad857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもん | 作成日時:2020年5月3日 17時