秘められた恋が叶うまで【G's】

自分のこと ページ34

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帰ってきて、亜嵐くんと一緒に夜ご飯を作った

途中で会ったってメンディーさんと龍友くんが
同時に帰ってきて
また途中で会ったって佐野さんと隼くんが帰ってきた

涼太くん、いつも大体この時間には帰ってきてるのに…
裕太くんは今日は帰れないらしい

ご飯並べて、みんなで食卓を囲む






龍｢うわ、ぶさっ！このぬいぐるみ何？｣


亜｢俺がAに取った｣


龍｢センス０やんけ、自分｣


亜｢Aは喜んでたって！ねぇ？｣


『かわいいよ』


玲｢どんな感性だよ｣


隼｢2人は順調そうなの？俺ら祝う準備しといた方がいい？｣


亜｢まだ俺の片思いかなー笑｣






ふと思い浮かんだ裕太くんの顔
違うと思えば思うほど強く思い出す

柑橘系の香りと
目じりが垂れる笑顔

もし、もしだよ？
これが恋だとしたら
わたしは裕太くんに恋してしまったことになる

それは…亜嵐くんの気持ちも優しさも全部
裏切ることになっちゃうのかな

わたしが隠していけば
いつか亜嵐くんに気持ちが向けば
全て丸くおさまるのかな






隼｢Aちゃん｣


『っ…、ん？』


隼｢まだ冗談だから。真面目に考えすぎ｣


メ｢焦んなくてもいいからね｣


玲｢なにいい人ぶってんだよ｣


メ｢いい人でしょうよ｣


玲｢てか涼太くんは？また新作で手こずってんの？｣


龍｢焦っとったからなー｣






そうだ、わたしのことより涼太くんのこと
なにかできることないのかな
凡人だからできることとか…ありそうだけど…






亜｢ね、最近ちょっと調子いいんだ。明日練習見に来てよ｣


『練習って見に行けるの？』


亜｢公開してないけど、関係者だったら大丈夫｣






わかった、と返事をして
みんなのワイワイした会話を聞いてた

部屋のシャワーを浴びてから
涼太くんが帰ってきたかを確認するためにリビングに来た
連絡はきてなかったし
ご飯食べてたら食器片付けなきゃ

リビングに近づいたら聞こえてきた2人分の声






涼｢大丈夫だから。玲於は気にしないでいい｣


玲｢でもさ…｣


涼｢俺のことより自分の事じゃない？就職、決まったの？｣


玲｢まだ、だけど…｣


涼｢バイトばっかりしてる暇ないんじゃないかな。前のこと、割り切ったんでしょ｣


玲｢…んな言い方しなくたって、｣


涼｢……しっかり自分のこと、考えよ｣






おやすみ、と言い残して
涼太くんは別の方のドアからリビングを出て行った




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