手 ページ25
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何が起きたのか分からず
飛ばされたのか倒れてる男の人を見る
な、に…?
人の気配がして左を見たら
息を切らした裕太くんが男の人を睨みつけていた
『ゆ、た…くん、?』
裕「大丈夫?」
答える前に裕太くんはわたしの手を取り
裏路地から出してくれた
しばらく走って
もうあの男の人が追いつけない場所まで来た
裕「あー、びっくりした。隼どこ行ったん」
息を整えながら周りを見渡す裕太くん
どっ、どうしよう
手繋がれたままだよ
気づいてないのかな
裕太くんは何も話さないわたしを変に思ったのか
Aちゃん?と名前を呼んだ
わたしの視線が手に向いてるのに気づいて
慌てて手を離した
裕「き、緊急事態だったから…。ごめん」
『…ううん!助けてくれて、ありがとう』
裕「亜嵐くんがAちゃんを外に出したくない理由、分かったやろ?いつ襲われてもおかしくないねん」
全部がいきなりすぎて
また頭が追いつかないけど
危険な目に遭ったのは分かる
…よかった、
裕太くんが見つけてくれなかったら
わたしあの人に…
そう考えたら、ゾッとした
嫌だよ、絶対嫌だ
Ωだって知ったら尚更、わたしは裕太くんみたいな人じゃないと…
『え?』
裕「ん?」
『なっ、んでもないです!』
裕「うん?とりあえず落ち着いたら亜嵐くん探しに行こか」
なに、裕太くんみたいな人じゃないとって
まさか裕太くんのこと気になってるとかじゃないよね?
こんな出会ってすぐ?
…ない、ないよ
ただ、裕太くんがかっこよくて
頼りになる人だから
優しい人だって分かったから
そう思っただけで…
前にいる裕太くんをそっと盗み見る
あ、玲於から電話や ってスマホを耳に当てた
ドキッてして、何もしてないのに恥ずかしくなる
…うそだよ
そんな簡単に、恋なんてできるものじゃない
裕「亜嵐くん!」
スマホを耳に当てたまま
わたしの肩を掴んで笑いかけてくる
裕「玲於が亜嵐くん見つけたって!」
『ほんとに!?』
亜嵐くん、よかった…
わたしの肩に手を置いたまま
佐野さんと話し続ける裕太くん
触れられた肩が熱い、気がする
…やだよ、違うって
ほんとにそんなんじゃないよ
裕「安心したわー。みんな家帰るって。俺らも帰ろ」
目を見て笑ってくれたのがうれしいんじゃなくて
亜嵐くんが見つかったことがうれしいんだよ
…そうだよ
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かれん - 更新される度めちゃくちゃドキドキしながら読んでます!!!DREAMERSのMVに合わせてるからイメージがめちゃくちゃ湧いて想像しやすくなってるし読みやすいうえにキュンキュンして面白いなんて本当にれもんさん最高すぎます(;_;)更新頑張ってください!! (2019年12月25日 13時) (レス) id: 53557cb99f (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - 今読んでる中で一番好きです(;_;)更新楽しみにしています! (2019年12月22日 3時) (レス) id: 877e115ef9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - この作品、今更新されてたら嬉しいやつナンバーワンです!笑忙しいとおもいますが、更新頑張ってください! (2019年12月16日 19時) (レス) id: 399774dd20 (このIDを非表示/違反報告)
ぐーりん(プロフ) - 初めまして!こういう作品待ってたんです…最高すぎて大好きすぎます!更新楽しみに待ってます、がんばってください! (2019年11月15日 11時) (レス) id: 28842cd990 (このIDを非表示/違反報告)
はいこ(プロフ) - うわぁ、、好きです、最高です....!更新楽しみです! (2019年11月6日 4時) (レス) id: 9cb57260f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもん | 作成日時:2019年9月9日 17時