秘められた恋が叶うまで【G's】

佐野さん ページ21

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遠くから聞こえる物音と声で目が覚めた
寝ぼけ眼で時計を見たら朝の8時

…いつの間にか眠ってたんだ
何時に寝れたのかは分からないけど

今日は確か、月に一度
ここに住む人たちが休みを合わせた日曜日
亜嵐くんが せっかく一緒に住んでるんだから と
必ず月一でみんなが同じ日に休むという制度を作ったらしい

そんな日なのに朝ご飯作りそびれちゃったな
みんな何食べたんだろう
洗面所で顔を洗って
髪の毛を軽く整えてからリビングに向かった

リビングに近づくにつれて
佐野さんの怒ったような声が聞こえてくる
わたしの部屋まで聞こえてた声は、佐野さん？

入るのをためらい
ドアの横から静かに中を覗いた






玲｢じゃあ、なんでいないわけ？メッセージ読まないし、電話も出ないし、なんもないわけないじゃん｣


メ｢玲於、一旦落ち着い…｣


玲｢落ち着けるかよ！亜嵐くんになんかあったら、｣






亜嵐くん、いないの？
メッセージも読まないの？
電話も出ないの？

…わたしの、せい？

亜嵐くんが昨日言った｢ごめん｣って言葉
ずっと引っかかってた
だって悪いことしたわけじゃない
むしろ悪いのは自己管理ができなかったわたしなわけで
亜嵐くんは何もしてないのに






涼｢仮に出てったとしてさ、理由は？｣


玲｢んなの、昨日の…っ｣


裕｢…玲於、あかんて｣


玲｢裕太くんは何も知らないじゃん。あのΩのこと襲いかけたんだよ。あいつが薬飲み忘れたせいで｣


隼｢…え？｣


裕｢玲於、やめろって。俺見えたねん。帰ってきた時、Aちゃんに会ったから｣


玲｢なんであいつのこと守んの？亜嵐くん、何も悪くないのに責任感じてんだよ、どうせ。だからあんな得体の知れない奴と住むなんて反対したんだよ、おれは！｣






最初から感じてた
佐野さんにはよく思われてないこと

佐野さんの言葉を聞いて
自分がますますここにいちゃいけない人間だと思い知らされる

…出てかなきゃ
亜嵐くんのいない、今のうちに

ドアから離れようとした時
カタン、と小さな音を慣らしてしまった
バレない程度の小さな音だったのに
佐野さんだけがこっちを見た

わたしを見た途端
大きくため息をついて

亜嵐くん探してくる

とみんなに伝えて
こっちに歩いてきた

その時にみんながわたしに気づいて
何となく気まずそうな顔をする

佐野さんはわたしの横を通り過ぎる時に






玲｢…お前のせいだから｣






…そう、言い放った




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