秘められた恋が叶うまで【G's】

ちがう ページ18

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ここに来てから2週間が過ぎた
慣れないことはたくさんあるし
佐野さんはこわいし
帰りたい、って毎日1回は思うけど
何だかんだやってこれてる

ほぼ亜嵐くんと隼くんのおかげだけど

裕太くんはあのお休みの日からほぼ家にいない
お仕事立て込んでて、事務所に寝泊まりしてるって
テレビ関係のお仕事のこと全然分かんないけど
体大丈夫かな、ってちょっとだけ心配してる


夜ご飯食べ終わって
お風呂入ったら
亜嵐くんのお部屋で漫画読む

これがルーティン化しつつある
亜嵐くんは いつでもここで寝ていいよ なんて
お布団みたいな柔らかい大きいクッション敷いてくれるけど
絶対寝ない って言い続けてる

今日も亜嵐くんの部屋に来たけど
何となく感じる

今日は亜嵐くんの機嫌が悪い






『亜嵐くん、わたし今日は部屋に戻るね』


亜｢え、なんで？｣


『疲れてるみたいだし…』


亜｢疲れてるから一緒にいたいんじゃん｣






ここにいて
そう、ちょっと怒ったように言うから
何も言わずに昨日の漫画の続き
寝転がって読み始めた

いつもは会話があるのに、今日はない
少しだけ寂しさを感じつつも
特に気にしないフリをした

なんとなくだけど
深くまで踏み込んじゃいけないんじゃないかって
そう…思うから


また気になるとこで漫画終わっちゃった
次は…って本棚に手を伸ばした時
亜嵐くんの息が荒いことに気づく

起き上がって
ベッドに寝転ぶ亜嵐くんを見る
腕で顔を隠して
苦しそうに肩で息してる






『亜嵐くん…？』






機嫌悪かったの、体調悪かったからかなって思って
近づいて、そっと腕に触れた
大袈裟な程に びく！ と反応して
顔から腕をどけた






『…っ、』






見えた瞳は
むせそうなほどに色気を帯びてて
わたしを捉えて離さなかった

…ちがう、亜嵐くんじゃない

亜嵐くんなのに、亜嵐くんじゃない






亜｢ね…っ、薬…飲んだ、？｣


『薬…？』






なんのことだろう、と考える
は、と思い出した時にはきっともう遅いんだ
隼くんからもらったフェロモン抑制剤

ご飯食べてから飲もうと思ったのに
テーブルの上に置きっぱなしだ






『飲んでくる…！』






飲まないとどうなるか
特異体質のわたしのフェロモンの量は異常だから
αは歯止めが効かなくなるよ
そう隼くんに言われたのに

立ち上がろうとしたわたしを亜嵐くんは制して
いつの間にか背にはベッド
見える景色は天井と亜嵐くんだけだった




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