角砂糖に溶ける夢４【北×樹】

ショートメール ページ4

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ほっくんの誕生日は
前行けなかったリニューアルした水族館に行った
夜はお家で豪華な料理一緒に作って
ほっくんが最近好きなワインをあけて乾杯

元気になって、よかった

頭は縫うほどの怪我だったけど
無理しなければ大丈夫だって


ほっくんが帰ってきてくれて
樹くんと出会う前に戻っただけ
そう思ってたのに
胸にぽっかり空いた穴はなかなか塞がらなかった

自分の中で腑に落ちない部分があるからなのか
まだ…樹くんを想う自分がいるからなのか

分からないまま半年が過ぎた

過ごしてきた時間は圧倒的にほっくんが長いのに
わたしはほっくんといればこのまま幸せになれるって
頭ではわかってるのに

どうして、樹くんと一緒に来た場所なんかに来ちゃうんだろう

ほっくんがやり直したいと言ったクリスマスまで
あと3ヶ月しかない

ほっくんは…なにか進んでるのかな
なんの音沙汰もない樹くんのこと
どうにかできてるのかな

わたしは…衝動的に樹くんの連絡先を消してしまったから
自分からは何も行動することができない

樹くんと歩いた道
樹くんと買い物した店
樹くんと入ったカフェ

少しの時間だったはずなのに
こんなに色濃くわたしの中に残ってる

樹くん…どこ？

樹くんと猫に触れた場所で立ち止まる
あの時の笑顔も…偽物だったの？

ほっくんは、犬派だ
だからもう猫に触れることはないんだろうな

そんなこと考えてたら
バッグの中のスマホが震えた

見たら凪さんからで
瞬くんの写真集がやばいとLINEがきてた

思わず ふふ と笑う

凪さんのLINEの通知の下
電話番号で送れるショートメールがきてることに気づく

なんだろう、と開いたら


" 会いたいです "


それだけ、送られてきてた
電話番号を見る
わたしの連絡先の人じゃない

だ、れ？






『樹…くん？』






何の保証もない
樹くんの電話番号は覚えてなかったから
それでも、何となくだけど
樹くんなんじゃないかって

ほとんど無意識に
ショートメールが送られてきた
電話番号に電話をしてた


6コール目

" はい "

何度も聴いたあの低くて心に流れ込む声






『樹…くん？』


樹｢よく…分かったね。俺だって｣


『だって、こんなの送ってくるの…』


樹｢…不思議ですね｣


『…え？』


樹｢連絡先、消したのに。Aさんの番号だけは覚えてたみたいで…｣






力なく笑う樹くんに
胸がぎゅっと締め付けられた




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電話番号→←待ってて

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