パーカー ページ13
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微かに背中が触れている
触っちゃだめだ…
そう思って少しだけ前に移動した
壱｢…陸さんと何話してた？｣
『え…、なにかな。青山さんの話聞いてました』
壱｢その内容聞いてんだよ｣
『あっ…と、青山さんの恋の話です！』
壱｢…ふーん｣
自分から聞いたのにあまり興味なさそうな壱馬先輩
…顔が見たいな
どんな顔してるだろ
それにしても
海と星空を見ながら
壱馬先輩の声を聴けるなんて、素敵
もっと聞いてたい
大好きな壱馬先輩の声
『壱馬先輩』
壱｢…ん？｣
『わたし、壱馬先輩のこと好きになって…よかった』
壱｢…｣
『壱馬先輩のおかげで、わたしの世界はきらきらしてます。何にでも優しくなれるし、大事にしたいって思います』
壱｢…｣
『壱馬先輩がいるから、毎日毎時間毎分毎秒幸せで溢れてます』
壱｢…大げさだな｣
『…何にも取り柄のないわたしだけど、好きになってくれて…ありがとうございます』
壱｢…、｣
『壱馬先輩が…大好きっ！』
どこまでも続いてるんじゃないかと錯覚するような海と空に向かって叫んだ
叫んだ、つもりだった
わたしのありったけの大好きは
壱馬先輩の唇によって吸い込まれて溶けた
いつの間にかわたしの横にいて
わたしに覆いかぶさるように砂浜に手をついて
静かに、だけど熱く、キスをした
ゆっくりと離れた壱馬先輩の瞳は
暗闇なのに輝いて見えて
思わずもう一度キスしてしまいそうになるのを必死に抑えた
『な、んで…』
壱｢…お前声でかすぎんだよ｣
『さ、わった…よ？』
壱｢俺から触ったんだから別にいい｣
『え…、ずるい！』
壱｢俺が決めたんだからそうなんだよ。大人しく従っとけ、あほが｣
ずるい、
壱馬先輩だけ好きにできるなんて…
今だってこんなにぎゅーしたいのに、
隣に座った壱馬先輩に手を伸ばして
引っ込めてを繰り返す
壱｢…こわいんだけど｣
『今必死にこらえてるんで気にしないでください…っ』
壱｢…それ脱いだら｣
『え？』
壱｢それ、脱いだらお前がして欲しいと思ってることしてやるよ｣
それ、と言いながら壱馬先輩が目をやったのは
さっき青山さんが善意で肩にかけてくれたパーカー
脱いで、丁寧に畳んで膝の上に置いて
期待して壱馬先輩を見る
そしたら膝の上に置いたパーカーを
ちら…と冷たい目で見て
壱｢…やっぱやめた｣
と言って、みんなの所に帰ってしまった
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北人すきぴ - 更新まってました！！！ (2019年9月9日 18時) (
レス) id: cb30df2db6 (このIDを非表示/違反報告)
Ari - 最高ー！！！ (2019年9月9日 8時) (レス) id: 951d2b0c9b (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - 楽しみに待ってました。更新ありがとうございます。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: c3b198d50f (このIDを非表示/違反報告)
はまはま(プロフ) - 先週更新なくて落ち込んでたら今日やったと！！待ってましたよ〜！！先週しなかったから今日大量に…とかないですよね笑笑 (2019年9月7日 20時) (レス) id: 702b4d3b89 (このIDを非表示/違反報告)
くるくる - あぁぁぁぁぁ！！！ 大好き。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: 0cf3778fb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん
| 作成日時：2019年7月14日 21時
