角砂糖に溶ける夢２【北×樹】

意識 ページ26

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凪｢吉野くんにキスされたかもしれない〜！？｣


『ちょ…っと、凪さん声！！』






着替え途中の凪さんに縋るようにして
口に人差し指を当てた

いくらロッカールームとはいえ
今の声の大きさは響き渡ったんじゃ…






凪｢だってそれ…めちゃめちゃ大変なことじゃない｣


『確信は…ないんです。こう、寝起きの時のぽわぽわ〜ってした時間あるじゃないですか』


凪｢うんうん｣


『その時にほっくんが近くにいたのはわかるんです。たぶん寄りかかっちゃってて…』


凪｢はぁ〜ん、吉野くんはずっと寝てるAちゃんとくっついてたわけね｣


『たっ、たぶんそう…なんですけど。車が止まって、ちょっと起きて、着いたのかな〜って思ったら…』


凪｢吉野くんが？きゃ〜！もう、お願い！吉野くんと結婚して！｣






目が開いてた訳でもないし
意識がハッキリしてた訳でもない

でも、確かに感じたほっくんの唇の感触と
今まで聞いたことのないような甘すぎる " 好き " という言葉

普段は幼なじみとして気兼ねなく接しているけど
ふとした時に男の人なんだなぁって思って
意識してしまうことは度々あった

だけど昨日みたいなことは初めてで
意識してるのバレないようにほっくんと話すの
すっごい大変だった

ほっくんはいつもみたいに
0キョリで接してくるから
いつも感じないドキドキとか感じちゃって

ほっくんが…ほっくんじゃないみたいだった






凪｢で、で！？Aちゃんは吉野くんのこと男の人として意識し始めちゃったの？｣


『そ、そんなこと…』


凪｢はい、嘘ね〜。このかわいいお顔が全部物語ってるわよ｣


『うそぉ！？』


凪｢ほっくんかっこいい、ほっくんきゅんきゅん、ほっくん好き〜♡って顔に出てる｣


『！？！？』






慌てて顔を押さえる
やだ、わたしそんな顔で
昨日からほっくんと一緒にいるの！？

ほっくん、変な風に思ってないかな…！？






凪｢ふふ、冗談よ｣


『へっ…なんだ〜、』


凪｢でも、今のAちゃんは確実に藤原くんより吉野くんのこと考えてるわね｣


『……』


凪｢図星！その調子、これからもそれでお願い｣


『わたし…』


凪｢好きの気持ちがすぐに消えないのは仕方のないことよ。…あ、｣


『凪さん？』


凪｢吉野くんがAちゃんのことどう思ってるか、探っちゃいましょ！｣






さ、探る…？




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いつも通りの→←距離

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