当たり前 ページ43
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わたしが黙り込んだら
電話の向こうで樹くんが笑う
樹「今さ、不整脈なってるでしょ」
『え!?』
樹「Aさん、早く気づいてくださいよ。その不整脈の理由」
『き、気づくも何も…不整脈は不整脈だし…』
樹「違うから」
『わかんないよ…』
樹「鈍感ですね」
くそぅ…、わかりきったような口調して…
なんでわたしより樹くんの方がわたしのことわかってるんだろ
さすが慣れて…、って決めつけは良くない
言われ慣れてる、とか言ってたもんな
勝手にイメージ持ったら樹くんを傷つけるかもしれない
樹「今どこです?」
『駅のホーム』
樹「タクシーで来ればいいのに」
『お金もったいないもん』
樹「でも捻挫でしょう?あんまり歩かない方がいいですよ。迎え行った方がいいんじゃないの」
『だ、れが…来てくれるの?』
俺が行く、っていう答えを待ってるみたいで
聞いたことを後悔した
恥ずかしい、
樹くんに来て欲しいみたいじゃんか
樹「…さぁ、誰でしょう」
返事を返す前に電話が切れた
このタイミングで電話切る…!?
モヤモヤする、やだ
また樹くんに振り回されてる
いちいち動じてやんないんだから
…とは思ったものの
電車の中では駅で樹くんが待ってる姿を想像してしまう
もう〜、離れてよ樹くん
頭の中が樹くんだらけ
会社の最寄りに着いて
ドキドキしながら改札を出る
なるべくまわりを見ないように
冷静に冷静に…
北「A!」
『…っ、ほっくん、』
北「大丈夫?車で来たから乗って?」
『え、仕事は…』
北「玲於さんが行ってこいって。樹が電車で向かってるって教えてくれた。なんで樹にしか言わないんだよ」
『だって樹くんは聞いてきたから…』
北「…まぁ、いいけど。階段気をつけて」
ほっくん、抜けて来てくれたんだ
樹くん…来なかった
…って、これじゃほんとに樹くんに来て欲しかったみたい!!
そんなわけない、ほっくんでよかった!!!
北「Aが捻挫なんてするの初めてだね?」
『あんまり怪我とかしてこなかったからなぁ』
北「今こそおれの出番だな。守らなきゃ」
『頼りにしてます』
優しく笑うほっくんに胸が温かくなる
急いで来たのか
ちょっと曲がってるネクタイとか
乱れてる髪とか
絶対会社の中走ったでしょ
『ほっくん、ありがとね』
北「当たり前じゃん」
今度何かお礼しなきゃだな
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れもん(プロフ) - のあさん» そう思ってくれてうれしいです( ; ; ) (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - cさん» まだ終わらないので今後も楽しみにしててください! (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 時雨さん» なりますよね( .. ) まだまだ北人くんはこんなでは終わらないので楽しみにしててください! (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - リオナさん» 今後も読んでくださいね( ; ; ) ありがとうございます! (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - mnyny1さん» ありがとうございます、頑張ります! (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもん | 作成日時:2019年6月15日 19時