角砂糖に溶ける夢【北×樹】

声 ページ42

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あれからほっくんからの連絡はなく
次の日の朝

事前に会社と凪さんに
事情を説明して病院に行くと伝えた

ほっくんに…言った方がいいよね

そろそろほっくんが家を出るかなって時間に
インターホンを鳴らす
モニターでわたしの姿を確認したのか
すごい勢いでドアが開かれた






『お…はよ…』


北｢おは、よ…。どうし…｣






足首に貼ってあったシップを見て
ほっくんが止まった

そこを凝視して動かない






『あの…昨日ちょっとアクシデントがあって、足首を捻りました…。今日、病院行ってから会社行くから、ほっくん先に…、っ！』


北｢ごめん…っ、｣






外だと言うのに
ほっくんはわたしを抱きしめて
何度も ごめん と謝った

怪我したの、ほっくんのせいじゃないのに






北｢おれがちゃんとしてれば…怪我なんてしなかったのに、｣


『ううん、わたしの不注意だし…』


北｢病院まで送ってく｣


『まだ開いてないよ』


北｢…おれも仕事遅れちゃだめかな｣


『だめ。大事なプロジェクト任されたんでしょ。玲於さんに迷惑かかっちゃうよ』


北｢そう、だよね…。あぁ〜…、もう、ほんとごめんね｣


『…わたしの方こそ、怒ってごめんなさい』


北｢A？｣


『うん？』


北｢大好きだからね｣


『ふふ、うん。わたしも大好き』


北｢…よし、今日も頑張る。病院行ったら連絡してね｣


『わかった。ほっくん、もう行くよね？』


北｢行かなきゃ…｣


『いってらっしゃい』


北｢いってきます｣






病院が開く時間ぴったりに行けるように向かった

診断は捻挫で
無理をするとクセになっちゃうから
治るまではなるべく動かさないで、って

仕事は基本歩かないし
すぐ治るよね

ほっくんに 捻挫でした って連絡してから
凪さんに これから行きます って連絡をした

樹くんにも…言った方がいいよね
昨日お世話になったし
…助けてくれたから

樹くんに 捻挫でした って送ったら
すぐに電話がかかってきた

で、電話…？






樹｢もしもし｣


『もしもし…？』


樹｢これから会社来るんですか？ひとりで来れる？｣


『行けるよ…！それより樹くん、仕事中じゃないの？』


樹｢資料探しに来てて。ちょうど携帯見れました｣


『わざわざ電話してこなくても…』


樹｢大丈夫かなって思ったから。声聞きたかったし｣


『へ…っ』






な、なにこれ…
また不整脈…！




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