頼れる人 ページ12
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店を出てすぐ、樹くんは車道側を歩いた
…なんか、こういうの慣れてそう
わたしの分もさらっとお金出してくれたし
…あ、お礼言ってない!
『樹くん!』
樹「はい?」
『お昼代、ありがとう。返さなきゃ』
樹「あぁ、いいですよ。一緒に食べれてうれしかったし」
『そ、そっ…かぁ!』
…なに、なんなの
度々出てくる女の子慣れしてます感満載の言葉たちは
だって、意味わかんないもん
わたしと一緒がうれしいとか
変人だよ、変人
いつもほっくんと一緒だったから
あんまりこういうの免疫ないんだよね
樹「…あ、でもひとつだけお礼にっていうか、お返し欲しいっていうか、」
『なになに?』
樹「…今度の休み、俺に付き合って欲しいです」
付き、合って……欲しい、?
しっ…知り合ったばっかりなのに何を言ってるの、このプレイボーイくんは!?!?
『あ、の…っ、ちょっとどういう意味か…』
樹「そのままです。一緒に出かけて欲しいんです、2人で」
『ふっ、ふたり…!?』
わっ、わーーー!!!
なんだろうなんだろう…!
すっごく叫び出したい気分
これは、えと…デートのお誘い!?
でも樹くん、めちゃめちゃ冷静だし
デートじゃないかもしれない
だけど漫画とかではこの展開は完全にデートに誘ってる…よね!?
樹「Aさん?…嫌ですか?」
『あっ、ううん!違うの!なんかこういうの久しぶりでドキドキしちゃうっていうか…』
樹「…素直なんですね」
『え?』
樹「いいと思います。そういうの」
『いい…とは?』
樹「え…っと、」
こほん、と手の甲で口を抑えながら咳払い
プチパニックになりながらも樹くんの横顔を見てた
さっきみたいに、耳が赤い
樹「かわいい…って、意味です」
『か、わ…?』
樹「あの…言わせないでくださいよ」
『へっ…、えっ…あの、ごめんなさい』
樹「ふっ…、大丈夫です」
あまり表情を崩さない彼が
初めて笑った
余りにも優しいその笑みは
わたしのドキドキを加速させるのには十分すぎた
樹「2人で出かけるって言っても、そんな重く捉えないでくださいね。こっちに越してきたばっかりなんで、この辺のこと教えて欲しいんです」
『あっ…、それなら任せて!』
樹「俺、まだ頼れる人とかいないんで。Aさんがいてよかったです」
ほっくんも玲於さんもいるのに
わたしを頼ってくれたことが今はただうれしかった
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れもん(プロフ) - のあさん» そう思ってくれてうれしいです( ; ; ) (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - cさん» まだ終わらないので今後も楽しみにしててください! (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 時雨さん» なりますよね( .. ) まだまだ北人くんはこんなでは終わらないので楽しみにしててください! (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - リオナさん» 今後も読んでくださいね( ; ; ) ありがとうございます! (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - mnyny1さん» ありがとうございます、頑張ります! (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもん | 作成日時:2019年6月15日 19時