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いい加減 ページ34

壱馬side.




受付でAはどこにいるのかを聞き
早足で向かう

ほんとは走り出したい気持ちを抑え
呼吸を落ち着けながらAがいるという病室を目指した

何が起きたのか、全然知らない
だからどうして倒れたのか…

病院について3回ノック
看護師と思われる人の声を最後まで聞く前に
病室のドアを開けた






壱「A、!」






ベッドにはいつもと何ら変わらない表情で眠っているAの姿があった
横には看護師がいて、俺を見て軽く会釈した






看「先程、電話に出た者です」


壱「…川村です。あの、Aは…」


看「軽いパニック発作です。強い不安などを感じると稀にこのような発作が見られるのですが…。何かご存知ですか?」


壱「強い、不安…?」






もしかして、ストーカーのことが
自分が思ってるより不安だったのかもしれない

いつ狙われるか、誰に狙われてるか分からない恐怖と戦ってたんだ
俺に言わずに、ひとりで






看「…このようなことが続くと、発作が起こりやすくなってしまいます。失礼ですが、熊城さんのご家族については…」


壱「父親とは…別居してて、母親は…たぶん家に帰ってないです」


看「…そうでしたか。命に関わるなどのことはありませんので、起きるまで傍に居てあげてください」


壱「…はい」






そう言って、看護師は出て行った

Aは一生懸命になって
俺と母親の仲を戻そうとしてくれたけど
ほんとは…俺の家よりお前の家の方が問題なんじゃねぇの…?

ベッドの隣のイスに座って
眠っているAの頬を撫でる

こんな時まで母親は電話に出ねぇのか
まだ仕事中なのかもしんねぇけど

…バカなくせに俺のことばっかり優先させるお前だから

俺はそんな優しさに気づけるほど器用じゃないから
そんなお前に優しい言葉をかけられるほど器用じゃないから






壱「ちゃんと…頼れよ、」






…じゃないと、何のために俺がいんのかわかんねぇだろ

お前を甘やかすのも
お前を縛るのも
お前を守るのも
全部俺じゃないと気が済まない

いい加減、全部俺で染まってくれよ






『…、』


壱「A…?」






少しだけ、動いた気がした
閉ざされていた瞼がゆっくり時間をかけて開いていく

俺と目が合った時
ほぼ無意識かのように目に涙を溜めて
いきなり起き上がって抱きついてきた






『か、ずま、せ…っ!』






何もしてやれてない自分が、腹立たしかった




.

心底→←冷静な声



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mopi(プロフ) - 本当にお話素敵で大好きで土日が楽しみで仕方ないです( ; ; )これからも更新楽しみにしてます、、! (2019年7月14日 21時) (レス) id: 89fe484069 (このIDを非表示/違反報告)
kano(プロフ) - 最高すぎてこっちが… (2019年7月7日 22時) (レス) id: 07e090ba1c (このIDを非表示/違反報告)
Kissxxx(プロフ) - 土日が楽しみで仕方ない。 (2019年7月7日 8時) (レス) id: e97a57c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
apple9484(プロフ) - 早く土日にならないかなっていつも待って終わると悲しいくらいに好きです! (2019年7月6日 23時) (レス) id: 9f35d20aab (このIDを非表示/違反報告)
kano(プロフ) - ぐふぉー好きすぎる!!見てるこっちも一緒にキャパオーバーしちゃいます笑笑 (2019年6月30日 22時) (レス) id: 07e090ba1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れもん | 作成日時:2019年5月5日 18時

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