アソビゴコロ 〜Wedding？〜２【川村壱馬】

嫌な予感 ページ32

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樹くんのお買い物に付き合ってからお店を出た
書店に来るとどうしてもマンガとか雑誌に手が伸びてしまう






『樹くんのせいで余計なもの買いそうだったよ』


樹｢俺のせいじゃないでしょ｣






壱馬先輩との家への帰り道は
書店の前の横断歩道を渡らなくちゃいけない
樹くんとおしゃべりしながら青に変わるのを待ってた

ふと目に入るバイク
普段は全然気にならないのに
今日はやけにそのバイクが気になった






『…樹くん、なんか、』


樹｢ん、なに？｣


『なんか、変…。ちょっと下がっ…』


樹｢…っ、｣






ほんとに何となくだけど嫌な予感がして
樹くんの腕を引っ張って後ろに下がろうとしたのに
わたしが樹くんの腕を掴むことはできなくて
何故か樹くんは車道に出てた

…え？

理解ができないまま立ち尽くす
気になってたバイクはもう目の前で
容赦なく…樹くんにぶつかった

嫌な音がして、樹くんの体が宙に舞う
気づいた時には歩道の端に放り出されてて
樹くんは動かなかった

周りでそれを見てた人がざわめく
うそ、だ…
樹…くん、？






『いつ、き…くん、？樹く…ん、樹くん…っ！』






やっと動くようになった体
だけどいくら呼びかけても樹くんは動かない

嫌だ、だめだよ
死んじゃ、うの？






『救急車…！』






携帯を取り出そうとするも
体が震えて思うように動かせなくて取り出せない

どうしていいかわからない
目の前で樹くんが轢かれた
隣にいたのに
わたしが助けられなかった






『あ…、わたしの、せ…っ！あぁ…っ！』






落ち着いて！と誰かの声がする
他の誰かが救急車を呼んでくれてる
知らない誰かが樹くんの様子を見てくれてる

血は、出てない
ただ動かないだけ

眠ってるみたい

知らない、誰か…
さっきわたしが樹くんの腕を引けなかったのは
誰かが樹くんの背中を押したから、？

明確な殺意、あるいは…わたしへの警告

下駄箱にあったメモを思い出す
その瞬間 ゾワッ… っと全身に鳥肌が立った

もう終わり…って、そういうこと？
意味がわからなかったけど
命の…終わり？

しかも狙われたのはわたしじゃない、
わたしを狙ってもいいはずなのに

…もし今回みたいなことが続くとしたら
次はユウちゃんとか、慎くん、？
武知くんの可能性だってある

そして…考えたくないけど
壱馬先輩が狙われることだって…

嫌、嫌だよ

不安が体中を駆け巡って
目眩がして
わたしの意識は途切れた




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