ずるい ページ44
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びっくりしすぎて何も言えなくて
だけど涙は止まらなくなって
壱馬くんから目を離すこともできなくて
しばらく2人で見つめ合ってしまった
壱「めちゃくちゃ心配したんだけど。電話出ねぇし、拒否るし、LINEもずっと読んでくれないし。気づいてたでしょ?」
『…ご、め、』
壱「…ごめんが聞きたいんやなくて、どうしたのか聞きたいんやけど」
…どうしたの、って
壱馬くんがどうしたの?
他のみんなは?
ひとりでわたしのこと探しに来たの?
ほんとに何してるの?
バレちゃうよ?
いろんなこと言葉に出せなくて
俯くことしか出来なかった
壱「…なんで泣いてんの。パフォーマンスしてる時も泣いてなかった?」
パフォーマンス、してる時?
あの席、見つけられるわけない
…嘘、
優しい壱馬くんの嘘だ、きっと
『…わたしのことなんか見えてないでしょ』
壱「お前が見つけてねって言うから事前に席確認までしたんだから。見てたよ、Aのこと」
席、確認…?
ほんとに、見えてたの?
壱「…疑ってんだろ。お前の隣は男と俺のファンの子」
『なんで、知って…』
壱「だから見つけたって言ってんじゃん。信じろよ」
…ずるい、やだ。
やだよ
あれだけ固く決意したつもりなのに
壱馬くんはそれを一瞬で壊してく
壱「…で?なんでご機嫌斜めなんですか、お嬢様」
『…お嬢様じゃないもん』
壱「はいはい…って、A…怪我したん?」
わたしが座った目線に合わせるようにしゃがんだ壱馬くんが
少しずつ赤く腫れてきている足首に気づいてしまった
隠すように動かすと ズキン! と痛みが走って
思わず顔をしかめてしまう
壱「なんで早く言わへんの?腫れとるやん。ほら、立てるか?俺ら車やから一緒に帰…」
『…っ、大丈夫!吉野くんがいるもん。それに、ファンの子だっていっぱいいるのに、わたしのこと特別扱いしたらだめだよ』
壱「…吉野くんってだれ?北人じゃないよな?しかも特別扱いとかじゃあらへんし」
『友だち!…だめだよ。わたしは一般人だもん。電車で帰る』
壱「…なんなん?ええ加減にしないと怒るで」
『勝手に怒ってればいいじゃん。わたしは吉野くんと帰る』
壱「…っ、ざけんな」
『きゃあっ!?』
低い声が響いたと思ったら
いきなりわたしを横抱きにして歩き出した
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こっとん(プロフ) - キュンキュンしました(T-T) (2017年11月15日 2時) (レス) id: 9ec2d8728c (このIDを非表示/違反報告)
玲於 壱馬 - 私は壱馬君が好きなので続きが楽しみです。これからも応援しています。更新頑張って下さい♪ (2017年11月14日 17時) (レス) id: 842afb46b2 (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - 北人君可愛いですね☆これからも、れもんさんのペースで更新頑張って下さいね(*>∀<*)楽しみにしています! (2017年11月11日 0時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
ひなの(プロフ) - 続きがきになります!私は陸推しなので陸とくっついて欲しいって最初思ってたんですけど今読んでると早く壱馬とくっついてほしいなって思いながら読んでます!ニヤニヤ止まりませんw (2017年11月8日 16時) (レス) id: e65c5b148a (このIDを非表示/違反報告)
こっとん(プロフ) - いまいちばん大好きな作品です! 更新楽しみにしてます(^_^) (2017年11月6日 18時) (レス) id: 9ec2d8728c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもん | 作成日時:2017年10月21日 11時