ハニーバルーン ２【陸×壱×北】

一緒に ページ42

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吉｢すごかったね！泣き疲れてない？笑｣


『へいき！笑 ごめんね？』


吉｢ううん、笑 泣き顔見れたから満足｣


『…どういうこと？』






内緒です


そう言ってまたさりげなく手を握った


ふつうのわたしには

ふつうの恋が似合うんだよね




いっそ、吉野くんにでも恋してみようかな






吉｢何が食べたい？｣


『んー、わたあめと水あめ、かき氷も食べたいしりんご飴も！』


吉｢え〜、甘いものばっか！笑｣


『じゃあ、吉野くんは？』


吉｢俺はね、焼きそばとポテトとフランクフルトと…｣


『がっつりしすぎ！笑』


吉｢だって腹減ったもん笑｣






…そうだよ


壱馬くんに恋してたら

こうやって花火大会でデートすることだってできないんだ



やめて、正解なんだ






吉｢わたあめ発見しました〜｣


『食べたいです！』


吉｢買ってくる。人多いからちょっとここで待ってて？｣


『わたしが食べるんだからわたしが行くよ』


吉｢Aちゃん、すぐ人の波とかに飲まれそうだらここにいて笑｣






屋台から離れた木のそば


すぐ来るから

そう言ってわたあめの屋台に駆けていった



…なんでこんなに良くしてくれるんだろう



考えてもわからなくて

しばらく見てなかった携帯を見た


そしたら、通知の画面に壱馬くんから３件もの不在着信






『なん、で…』






本番終わってすぐ？


なに、なんで？




他の通知なんか目に入らなくて

ただ手が震えた


気づかなかったって言おう…



そう決めて携帯しまおうとしたら

壱馬くんから電話がかかってきた




思わず反射的に拒否のボタンを押してしまって


慌てて携帯をバッグにしまった




…やっちゃった


後からおこられる、



だけど、だめなの


もう…やめなきゃいけないの





壱馬くんを好きな気持ちは、消し去らなきゃ



" A "




わたしの名前を呼ぶ壱馬くんの顔が思い浮かんだ時

後ろで勢いよく花火があがった


振り返ったら

夜空一面に花火が広がってて

とてもとても綺麗だった






吉｢始まっちゃってた〜！｣


『吉野くん！ありがとう』


吉｢花火あがる時一緒に見たかったのに笑｣


『惜しかったね笑』






…わたしのこの気持ち


花火と一緒に打ち上がってくれないかな




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