星屑ハートブレイカー 【佐野玲於】

Heart 44. ページ44

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ドキドキ、


ドキドキ、


ドキドキ…




ピンポーン






『ひっ…！』






…驚いてる場合じゃない。


ちゃんと、ちゃんと迎えなきゃ。



そーっと、そーっと玄関に行って

ガチャっと鍵を開ける。



開かれたドアの先にいたのは


約１ヶ月ぶりの、






『玲於、くん…。おかえりなさい』


玲｢ただいま｣






久しぶりに会った玲於くんは

なんだかちょっと疲れた顔をしてて

ワールドツアー大変だったんだなって。






『お風呂、入れるようにしといたから』


玲｢ありがとう｣


『うん、えっと…荷物預か…っ！？』






玲於くんの多い荷物をどこに置こう、と玲於くんに背中を向けたら

ぎゅっ… と、後ろから抱きしめられた。


前からはあったけど

後ろから…は、耐性がついてない…。






玲｢…Aちゃん｣


『はっ、はい…！』


玲｢…んふ、Aちゃんだ、｣






ぎゅんっ…！ って胸をなにかに貫かれたかのように

締めつけられる。


かわいいとどうしようの大渋滞…！






『玲於く…っ』


玲｢…ごめん、離れる｣


『あっ、違う！』






手を離した玲於くんの方に振り返ったら

ものすごく距離が近くて

すぐそこに玲於くんの顔があって

一気に体温があがる。






玲｢…違う？｣






たぶん玲於くん、

わたしが恥ずかしくて逃げたいんだと思ってる。



…逃げれるものなら逃げたいくらいに

恥ずかしくてどうにかなりそうだけど


でも、決めたから。



ちゃんと玲於くんに 好き ってこと伝わるように

がんばるって決めたから。






『ぎっ…』


玲｢…ぎ？｣


『ぎっ、ぎ…ぎゅ…っ！！』






…あぁ、なんてかわいくない抱きつき方。


変な声出しながら玲於くんに真正面から抱きついて

顔見えると恥ずかしいから肩におでこをくっつける。




絶対変だと思ってる、


何こいつ、急にどうしたの。きもい。


とか絶対思ってる。






『あの、玲於くん…』


玲｢ちょっ…、待って、｣


『…うん？』


玲｢１回…離れ…っ｣


『ごっ、ごめんなさい！！』






玲於くんに…嫌がられた、


急にだもんね、変だよね。



玲於くんに触らないぐらい距離取ろうとしたら

グッ、て玲於くんに腕つかまれて






玲｢離れんなっ…｣






って。


もう、大混乱で泣きそう。



玲於くん、前髪ぐしゃぐしゃってしてから

もう１回わたしを抱きしめた。




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