星屑ハートブレイカー 【佐野玲於】

Heart 4. ページ4

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最後のお仕事だって思うと

いつもより気合いが入った。



今日はミキさんと２人だったから

わたしが担当したのは

龍友さんと隼くんと裕太さん。


元々かっこいいけど

もっとかっこよくできたんじゃないかなぁ、なんてね。



撮影が終わって

改めてみんなに挨拶をして

メイク道具を片付けてたら

ねぇ、って呼びかけられた。



その声はもう帰ったはずの人。






『玲於、くん…』


玲｢…ほんとに、俺らの専属じゃなくなんの｣






片付けてるわたしの近くのイスに座って

機嫌が悪そうに呟いた。


玲於くん見たらまた泣いちゃいそうで

気にしないふりをして片付けしてた。






『…うん。明日からランペ専属』


玲｢…なんで？｣


『なんで、って…っ！？』






ふいに腕を掴まれた。


玲於くんの行動に片付けをする手が止まる。






玲｢…そんなに俺が嫌、？｣


『ちっ、がうよ…！』






玲於くんがとんでもないこと言うから

思わず玲於くんの方向いちゃったのが間違いだった。


透き通った子どものような目がわたしを見つめてたから。






玲｢Aちゃん、｣


『っ、れ…おく、』


玲｢ねぇ、Aちゃ…｣


亜｢玲於ー？どこいんのー。車でちゃうよー｣






廊下から聞こえてきた亜嵐さんの声。


玲於くんはため息をついて立ち上がった。






玲｢…もういいや。じゃね｣






行ってほしい、行かないでほしい。


２つの気持ちが胸の中を忙しなく動く。



パタン、と閉められたドアを確認してから

顔を手で覆ってしゃがみ込んだ。






『…だめだよ、』






２人っきりで

玲於くんの声しか聞こえない空間で


Aちゃん って呼ばれちゃったら。






『ほっぺ、熱いや…』






玲於くんの声は、わたしにとって魔法。

昔から声フェチだったわたし。



なかなか理想の人に出会えなかったのに


玲｢佐野玲於です。よろしくお願いします｣


この言葉を聞いた時

衝撃だった。



好きすぎて、体の奥が震えるようなそんな感じ。


玲於くんを好きになるのなんてあっという間で

｢好き｣って告白された時

ほんとに死ぬんじゃないかってぐらい

体が熱くなって

どうしようもなかった。


でも、好きすぎる玲於くんの隣にいるのは

すごく大変で

名前を呼ばれる度、近くで話される度

熱くて、逃げちゃって

…結局フっちゃった。


たぶん玲於くんは

もうわたしのことなんか好きじゃない。




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