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Case.138 ページ20

「もう、店長!あれはローマ字じゃなくて英語。最後の綴りが、“i”じゃなくて“y”だったじゃない!」

彩代が呆れたように口を出しながら、カウンターの中へと入っていく。真純ちゃんのラーメンの準備をするんだろう。

餃子を齧りながら2人の様子をなんとなく眺めていると、机に置いたスマホの画面にメールの通知がポップアップした。

「!」

すぐにメールを開くと、相手は予想通り。

《今終わった。まだ店にいるか?》

零…!

どうやら、警察庁からそのまま来てくれるつもりらしい。でも、ここで真純ちゃんと会うのは…零も計算外よね。
どう考えても鉢合わせるだろうし、公安帰りならスーツを着てる可能性もある。変に勘繰られたら、後々面倒かもしれない。

私は零に、家に行くから迎えに来てと返信し、大将に声をかける。

「大将、テイクアウト頼める?」
「おう!やっぱり量が多かったんだろ?」

言わんこっちゃない、と表情で語られ、私は小さく苦笑した。

「そうじゃないわ。私のも別で包んでもらいたいけど、新しく1人前追加して。透が仕事終わったみたいだから、持って行ってあげようと思って」

すると、彩代がパッと顔を輝かせた。

「だったら、そのままここに来てもらえれば…!」
「残念だけど、盛大に服を汚したみたいなのよ。疲れてるだろうし、着替えて来させるのも可哀想だから」
「そうかい…残念だなぁ」
「探偵さんも大変ですね」

適当な理由をつけたらすぐに納得してくれた。
便利ね、探偵業って。

「じゃあ、Aさんの餃子と炒飯はこっちに移しちゃいますね」

彩代が手早くプラスチックの容器に移してくれる。私は残りのラーメンをすすり込んだ。
そこへ、電話の終わったらしい真純ちゃんが店内に戻ってくる。

「あれ?Aさん、それ持って帰るのか?」
「ええ。彼の仕事が終わったみたいだから、そろそろ出ようと思って」
「そっか、残念。せっかくだからもう少し話したかったんだけど…」

眉を下げて声を落とす様子に、演技らしさは見当たらない。
どうやら本気で残念がってくれてるみたいね。

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胡蝶(プロフ) - 藍色さん» コメントありがとうございます!もったいないお言葉です…が、とてもとても嬉しいです!語彙力捻り出しながら書いた甲斐がありました…。書くのが遅い上に煮詰まっていて遅筆に拍車がかかっておりますが、どうかお付き合いくださいませ。 (2022年8月17日 13時) (レス) @page14 id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - 作者様のキャラの感情表現、文才能力が凄すぎます…!度々一人で悶えながら読んでます!面白い作品に出会えて私は幸せです(´;ω;`)更新楽しみに待ってます! (2022年8月16日 3時) (レス) id: 82bbddf0f3 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - ねるさん» コメントありがとうございます!一気読み嬉しいです!書くのが遅くてお待たせしておりますが、頑張って更新いたします…! (2022年8月9日 15時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
ねる - 一気読みしてしまいました!続き待ってます!更新頑張ってください(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎) (2022年8月8日 9時) (レス) @page27 id: a5b6221b88 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - かるぴんさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです!特に二幕はデレ期のつもりなので…距離感を詰めていく様子にお付き合い下さいませ! (2022年7月14日 20時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年6月25日 12時

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