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Case.55 ページ17

「コナン君。それ、何時からなんだい?」
「あと20分くらいだけど…」
「だったら、もう会場に向かった方がいいね。きっと混雑するだろうし」
「ちょっと、勝手に話進めないで…!」

なんで私がそんなことに付き合わなきゃいけないのよ!
抗議しようと突っかかった瞬間、がしっと手首をつかまれた。

「へ、」
「じゃあ、早く行こうぜ!」
『おー!!』
「え…ええっ!?」

そのまま子供達にぐいぐいと手を引かれ、半ば強制的に会場まで連れてこられてしまった。

「あー………面倒くさい」

ステージ近くのトイレでメイクを直しつつ、重いため息を吐き出した。

「なんでこんなことになったんだろ…」

会場に入ったところで、メイク直しを理由にトイレへ逃げ込んだはいいものの、またあの賑やかな子供達の所へ戻るのは憂鬱すぎる。
というか、なんなのよ零のヤツ。
デートならもう少しそれらしくすべきじゃないの?それを中断してまで子供の付き添いするとかありえないんだけど。
秀一に連絡して迎えに来てもらおうかと本気で考えたけど、さすがに子供の前で大人気ないからやめた。

「……戻るか」

とりあえず、零にはしっかりと埋め合わせさせよう。迷ってたクッションを両方買わせてやるから覚悟しなさいよ。
決意を胸にトイレを出た時、近くのベンチから人が立ち上がるのが見えた。

「……ん?」

すぐ人混みに紛れて見えなくなったけど、背格好や服装から見て、男性なのは間違いない。ベンチの下にバッグが置かれたままになっていて、その不用心さに呆れた。
日本ってこういう危機感ないよね。場所取りのために荷物置くとか考えらんない。
それぐらい平和ってことなのかもしれないけど、自衛も大事なのに。
…仕方ない。
気はすすまないけど、警察が来るのも厄介だし、あの男が戻るまで見張っててあげよう──。

なんて、気を利かせてから10分。

遅すぎじゃない?
こういう時って2〜3分が相場でしょ。何してんのよあの男。
そろそろショーが始まる時間だし、面倒だけどスタッフに届けて、私も席に戻ろう。
近くの人に声をかけて、その小さなボストンバッグを引っ張り出す。

「──え、」

バッグの大きさに見合わない、ずっしりとした重量感が腕にかかる。持ち上げると、底が沈んで箱のような四角い形が浮き出てきた。
まさか。
わずかに聞こえる機械音に戦慄が走る。そっと人気のない場所まで移動して、バッグを開けた。

「うわぁ…、───ビンゴ」


これは、爆弾だ。

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胡蝶(プロフ) - 明里香さん» ご報告ありがとうございます。修正いたしました! (2022年8月2日 2時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 82話、名前変換出来ていない箇所があります。 (2022年8月1日 7時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - 明里香さん» ご報告ありがとうございます!修正いたしました。ご不便をおかけいたしました…! (2022年7月31日 17時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 66話、名前変換出来ていない箇所があります。 (2022年7月31日 11時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - cherry*さん» こちらこそです!更新本当に遅いのですが、どうか最後までお付き合いください! (2022年5月27日 12時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年5月19日 5時

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