Case.11 ページ13
アメリカから送った荷物が届いたのは、来日した翌日だった。
本当は昨日のうちに届く予定だったんだけど、交通事故で高速道路が渋滞したとかで1日遅れたらしい。おかげで秀一の服を借りる羽目になった。
「あー…煙草臭かった…」
「すまんな」
全然すまなさそうな顔してないなコイツ。
煙草の匂いは苦手で、夜は耐えきれなくて下着で寝たほどだ。人の家だから遠慮してるのか、家の中はあんまり匂いがついてないけど、やっぱり服はダメだ。
着替えたおかげで、やっと深く息が吸える。
「そういえば、表のハーレーはお前のか？」
「そう、私の愛車。アメリカから持ってきたの」
昔から使ってる相棒だ。組織にいた頃は敢えて乗らなかったから、秀一からしたらイメージないのかもね。
「車じゃないんだな」
「まぁね。車も嫌いじゃないんだけど、自分で運転するならバイクの方が小回り効いて好きなのよ」
秀一はそうかと返事して、窓からハーレーを覗いてる。
「何？興味ある？」
「…いや。車に乗り慣れているなら、いざという時は俺の車を貸せるかと思ったが…やめておいた方が良さそうだな」
言われて、そういえば停めてあったなと思い出す。
「スバル360とマスタングだっけ。だったら私にハンドル握らせない方が賢明よ。シボレーの二の舞にしたくないならね」
「…そいつは御免だな」
コイツ今心底嫌そうな顔しやがったな。
運転させない方がいいっていうのは本当だけど、別に顔に出す必要なくない？シボレーの話はちょっとした冗談なのに。やっても側面擦る程度よ。
「あ、でもスバルなら――」
「必要なら俺が出す。お前は助手席に居ろ」
「………」
とても真剣な目で諭された。
荷解きもあらかた終わったところで、気分転換をかねて外に出てみた。
薄手のニットとスキニーのラフな格好でフラフラと散歩する。
住宅街だけど、結構すぐに大通りへ繋がってるのね。
スーパーやコンビニも近いし、なかなか良い立地だ。さすがはマカデミー賞作家。
そこで、昨日も行ったコーヒーチェーンを発見した。
「ウソ、すっごい嬉しい」
まさかこんな近くにあるなんて。
日本にいる間はここを行きつけにしようと、定番のコーヒーフラッペを買う。
この辺りを一周したら戻ろうかな。
頭の中でぼんやりと計画を立てながら、フラッペのストローを咥えて散歩を再開する。
――その時。
「―――いたぁ！！！！！」
「んぇ！？」
鼓膜を震わす大音量が聞こえてきた。
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胡蝶(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます！キャラクターの“らしさ”の部分は結構気にして書いているので、気づいて頂いてとても嬉しいです！更新頑張ります！ (2022年5月19日 23時) (
レス) id: 1da46a4e4a (このIDを非表示/違反報告)
カイ - えええ…素敵すぎて今日初めて拝見したんですけど、全て見終わっちゃいました…。キャラクターの性格をよく噛み砕いて書いてる印象を受けました。コナンファンには絶対読んでもらいたいー！ (2022年5月19日 0時) (レス) @page35 id: 6aad3c552e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：胡蝶 | 作成日時：2022年5月18日 2時
