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spring moon #39
映画館であるメガボックスを出た頃には、既に
外は暗闇へと包まれてしまっていた。
彼と一緒に居ると、随分時間が短く感じてしま
うのは、まだ彼と一緒に居る事を望んでいるか
らに違いなかった。
映画館内の暖かさが嘘の様に、頬を撫でては消
えていく冷たい風に思わず身体を強張らせる。
厚手のコートを着ていても感じる寒さは、屋内
に居ない限り防げたりはしないのだろう。
「寒いから、これも着けて？」
ふわりと首元に垂れ下がるマフラーから、風に
乗って彼の柔らかい香水の匂いが鼻を擽った。
器用に伸ばした手で、私の首元へとマフラーを
巻いてくれた彼は満足そうにふにゃふにゃと微
笑んで見せた。
「ダニエルくんが冷えちゃうから...」
私の代わりに、幾分首元が寒々しい様に感じる
彼を見上げて言ってみるけれど、もちろん聞き
入れてくれたりはしない。
「こうしてるから、俺は大丈夫だよ」
言葉と共に腰に回された逞しい腕で引き寄せら
れる為、身体は自然と彼の腕の中へ収まってし
まう。
彼の優しさに応えるようにして、私は繋いだ手
にそっと力を込めて見せた。
吐く息が白い事がソウル市内の寒さを物語って
いる様に感じる。
ちらりと目を向けた彼の横顔が月明かりに照ら
されて幾分輝いて見える様だった。
改めて彼が好きなのだと実感する頃には、胸が
ぎゅっと締め付けられて幾分苦しい。
彼に対する気持ちに気づく時、何時も出会った
あの日の事を思い出しては随分昔の出来事の様
に感じるのだ。
「ダニエルくんは私に声を掛けてくれた日の事
覚えててくれてるの？」
「ちゃんと覚えてるよ、ヌナに声を掛けた日は
朝からずっと待ってたから」
「ずっと...？」
「うん、今日ヌナが来て何時もみたいにアメリ
カーノを頼んだら声を掛けてみようって」
「どうして、そう決めてたの？」
「ヌナに振り向いて欲しかったから...だよ」
照れくさそうに糸目をより一層細くして微笑む
彼は、ちょっぴり耳を赤らめながら優しい眼差
しで私を見下ろした。
そんな彼の視線に、あの時の私は何も知らない
ままラテの美味しさに感動しているばかりだっ
たのではないかと、途端に恥ずかしくなる。
彼からの視線から逃れる様に、柔らかい香水の
香りが鼻を掠めるマフラーに顔を埋めて見せた。
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choi(プロフ) - maryさん» ジソンオンマタイミング！笑 母性本能全開のジソンさんにはオンマ的ドジも頑張ってもらわないと、と思いましてヽ(´o｀；にしても我ながら今のタイミングはちょっと！ですヽ(；▽；)ノ (2018年9月12日 19時) (
レス) id: 3ac3189961 (このIDを非表示/違反報告)
mary(プロフ) - あああああ！！ジソンオンマー( ＴДＴ)今は声かけちゃダメー( ＴДＴ)笑 (2018年9月12日 12時) (レス) id: d75f5942a5 (このIDを非表示/違反報告)
mary(プロフ) - ぜひ！！ぜひその番外編読みたいです！！( *´艸) (2018年9月12日 12時) (レス) id: d75f5942a5 (このIDを非表示/違反報告)
choi(プロフ) - maryさん» ジェファンとの絡みに反応下さるのmaryさんだけなので、密かに凄く嬉しいです！笑 番外編でダニエルくんとジェファンのお話を書こうかな...なんて思っちゃいますヽ(´o｀； (2018年9月12日 11時) (レス) id: 3ac3189961 (このIDを非表示/違反報告)
mary(プロフ) - ジェファンとの絡み待ってましたー！！やっぱりダニエルくんとジェファンくんの絡み大好きです(*´∇｀)もうウジンに何されたんだ！！笑 (2018年9月11日 23時) (レス) id: d75f5942a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CHOI | 作成日時：2018年7月9日 16時
