青い監獄のスポーツドクター見習い【ブルーロック】

45話　良好な関係 ページ46

「……」

『……」






無言の部屋。時折凛くんの深呼吸をする音が聞こえる。私は彼の様子を見てメモを取っていた。



凛くんにオーバーワークについて注意した次の日。彼らのチームは二次選考を突破し三次選考を控えていた。

昨日彼に「俺のトレーニングのサポートを徹底しろ」との頼みがあったので、まずは彼が普段どう過ごしているのかを観察していた。…ていうかあれって頼みだったのかな。命令に近かったような…






『(クールダウンと瞑想…精神統一ね)』





「…何してんだお前は？」


『？あ、』









彼の台詞に頭をあげる。凛くんの斜め後ろにはいつの間にか潔くんがおり、同じようなポーズを取っていた。そういえば凛くん達と同じチームだったね。








「お前に追いつこうと思ってマネしてる！中々痛ぇなコレ…」


『潔くん無理すると足がつるよ…』



「つかAも凛と一緒だったんだな。いてて」






『うん、まぁ一日の終わりだから。この位の時間でしか凛くんにつきっきりになれないし』


「…お前らってそんな仲良かったっけ？(凛って名前呼びだし…)」









壁に寄りかかっていたが、立ち上がり2人に近づく。そして胡座をかいて再び座った。





『仲いいのかな…』

「よくねぇ」


『だ、そうです』





あははと乾いた声が響く。私は仲良くしたいと思ってるけどね…暴言吐かれるよりマシでしょ。


潔くんは「ふぅん…」と呟きながら凛くんと同じポーズを取る。










「つか凄ぇな凛。これ毎日やってんの？」


「だったらどーした。邪魔すんなら出てけ」



「お前ってやっぱサッカーのコトばっか考えてんのか？24時間ずっと？」





「……うっせぇな、言ったろ」








片方の足先に両手を置き前に倒れる。体柔らかいなーとそれを見ながら私も真似して長座体前屈をしてみる。久々にやると結構痛い…







「俺は兄貴を、糸師冴を潰すためにサッカーをしてる」








『(あー…やっぱり弟くんだったんだ)』




あんまり聞かない方がいいのかなと思い昨日の段階では質問しなかった。でも思い返してみると確かに目元とかそっくりかも。







「…お前って兄ちゃんと仲悪いの？」


「別に。俺が勝ちゃ解決するだけの不自由で良好な関係だ」




『…いいね、それ』









ボソッと聞こえない程度に呟く。色々考える所はあるが割り切れた関係は私からしたら羨ましい。


『(うちの親は過干渉すぎるからなぁ…)』

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