40話 難しい ページ41
「……ちゃ…だ…ぶ…」
『(國神くんに本当のこと言えなかった…せめて今までのことのお礼…も嫌味に聞こえるか…)』
「…Aちゃん、大丈夫？」
『うえっ⁉︎』
声をかけられハッとする。顔をあげると柔らかい目元と自分の目が合った。眼鏡越しに笑う彼の顔を見ると自然とホッとしてしまう。
『あ…うん。大丈夫です。ごめんなさい雪宮さん』
「謝らなくていいしユッキーでいいよ」
『流石に先輩ですしせめて雪宮くんで…』
彼の足にテーピングをする。考え事をしていたのは國神くんに言われた言葉が離れないでいたからだ。彼とのことを相談したい気持ちもあるが言い訳を探しているみたいだ。…でも言わないのは言わないで辛い。
『(…何で、あの時言葉に詰まっちゃったんだろ)』
「何か悩み事？」
『……仲の良かった人が脱落しちゃったんですけど、ちょっと誤解っていうか彼に本当のことを言えなかったのが心残りで…』
「脱落するっていうのはもう割り切った方がいいと思うよ。ここはそういう場所だから。俺も今日明日には脱落してるかもしれないし」
「まぁそれは絶対ないけど」と朗らかに笑う。この人物腰柔らかいんだけど言葉からは自信が滲み出てるんだよな…ある意味羨ましい。
「それに多分色々遠慮しちゃうんだよ。だからさっきも「大丈夫」でやり過ごそうとしたでしょ」
『それは…そうかも』
「じゃあさ。思ってることなるべく我慢しないで言う癖をつけたら？」
『癖？』
「もちろん相手が傷つくこととかは言ったらダメだけど、君は大丈夫大丈夫で済ませすぎ。相手の怪我を処置する時とかははっきり言うでしょ？それをイメージしたら？」
確かに怪我とかトレーニング内容相談する時とかは、はっきり言わないと相手の為にならないから色々言われる覚悟で伝えるけど…普段からあんまり自分の話をしようとは思わないし。うーん…と苦笑いをする。
『でもいきなりは…』
「うーん、そうだな…」
2人で悩んでいると部屋の扉が開く。雪宮くんはタイミングよく部屋に入ってきた2人を名指しした。
「乙夜くん烏くん。ちょうど良かった」
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苺子(プロフ) - ぺんぺんさん» コメントありがとうございます！読んで頂き嬉しい限りです(*´꒳`*)これからもよろしくお願いします！ (2023年3月18日 23時) (
レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぺん(プロフ) - 最初からとっても面白いので、ついつい熱中して呼んでしまっています･･･。これからも頑張ってください！！ (2023年3月17日 20時) (レス) @page28 id: 0923c869aa (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます！今あなた様に出会えたことに感謝です((更新頑張ります！(*'▽'*) (2023年3月15日 22時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼します!もっと早く見つければ良かったです。好きです!応援してます (2023年3月14日 13時) (レス) id: 0e75ff5f17 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます！雪宮くんに振り回される夢主です((これからもよろしくお願いします…！ (2023年2月4日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺子 | 作成日時：2022年11月29日 16時
