19話 何故 ページ20
「何々マネージャーとか？名前は？」
『え？い、荊尾Aですけど…』
「Aちゃん？ふーん…」
「俺は士道」と握手を求められる。私は戸惑いながらも、恐る恐る手を握り返した。周りの選手達も何が何なのか分かっていない様子。こっちも状況が分からないんだけど？
『と、取り合えず何があったか分かりませんけど、暴力沙汰はやめましょう？皆さんも一度頭を冷やすために休憩しましょう、ね？』
そう声をかけると他の選手達もそれに賛成なのかそれぞれが散り散りに離れていく。
『えっと士道さん？足大丈夫ですか？(攻撃を防ぐためとは言え救急箱に足思いっきり当たってたし…)』
おずおずと聞くと彼は「ん？んー…」と考え込む。
…あ、これって大丈夫そう？私のせいで大きな怪我でもされたら大変だったしと少し安心すると、彼は大袈裟な態度で足を触りしゃがみこんだ。
「あー、痛いかも。これ骨やっちゃってるかもー」
『(つ、つけ込まれた…！)』
ヒクッと笑顔が引きつる。不味いやられた、と思いつつ士道さんに殴られた選手を見た。
『えーっと、まずは彼の治療を…』
「あ？誰かさんのせいでこっちは足折れてるかもしれねーのに？」
『すみませんすみません！』
頬を殴られた選手に向かって『救急箱の中に氷のうがあるから、取り合えず自分で何とかできますか？』と早口で伝える。私が色んな意味で命の危険を感じているのを悟ったのか聞かれた選手は何度も頷いた。
『取り合えず士道さん、』
「さんはつけなくていいよ」
『…士道くん。取り合えず座ってもらっていいですか？』
ベンチに座った彼の足元に跪く。そして右足を持ち上げ私の太腿に乗せた。
『(…うん、踵や指の関節に傷はなし。ただやっぱり少し赤くなってる)』
状況が状況だったとはいえ申し訳ないことをした。足首を動かしてほしい、と伝えようとする。
しかしその時、
『っ…！』
ガバッと彼が両足で私の上半身をホールドする。そしてズイッと顔を近づけられた。
「ハハッ捕まえた♡」
『…ふざけないで下さい。処置中ですよ』
「そう言うなって。あれ、これもしかしてピアス？」
グイッとジャージを下げられる。ピアスとは耳につけたやつではなく首につけたヴァンパイアピアスだ。それを見た彼は愉快そうに笑った。
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苺子(プロフ) - ぺんぺんさん» コメントありがとうございます！読んで頂き嬉しい限りです(*´꒳`*)これからもよろしくお願いします！ (2023年3月18日 23時) (
レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぺん(プロフ) - 最初からとっても面白いので、ついつい熱中して呼んでしまっています･･･。これからも頑張ってください！！ (2023年3月17日 20時) (レス) @page28 id: 0923c869aa (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます！今あなた様に出会えたことに感謝です((更新頑張ります！(*'▽'*) (2023年3月15日 22時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼します!もっと早く見つければ良かったです。好きです!応援してます (2023年3月14日 13時) (レス) id: 0e75ff5f17 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます！雪宮くんに振り回される夢主です((これからもよろしくお願いします…！ (2023年2月4日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺子 | 作成日時：2022年11月29日 16時
