16話 秘密 ページ17
『(チームYとチームZの試合…ニ子くんのチームが負けちゃったのね)』
廊下を歩きながらそれぞれの棟の試合結果を確認する。潔くんのチームの次の対戦相手はチームWか。
色々と考えていると、後ろからの気配に気づかなかった。
「イバラちゃんみっけ!」
『うわっ、』
後ろからハグをされる。誰だと一瞬思ったが案外すぐ分かる。振り返ると蜂蜜色の目がこちらを覗きこんでいた。
『蜂楽くん。それに潔くん達も』
「久しぶりー!」
『いててて』
お風呂上がりなのか蜂楽くんの他にチームZの人達がいる。あの、蜂楽くん少し痛いかな。ぐりぐりと頭を擦り付けてくる彼の頭を撫でる。今日はよくハグされるな…
「あっ、蜂楽ずりーぞ!」
「抜け駆け禁止〜!」
「おい、蜂楽やめろ。困ってんだろ」
「ぶー」
國神くんにグイッと引き離される。私は苦笑いしながらも蜂楽の肩からかけているタオルに触り、まだ濡れている彼の髪を拭いた。
そしてふと『あ、そうだ』と思い出したように近くにいた潔くんに話しかけた。
『そういえば第4試合おめでとう』
『映像越しだったけど、かっこよかったよ』
「うえっ⁉︎あ、ありがとう…」
「俺は俺はー⁉︎」
「てめーは何もしてねーだろ!」
「そういうお前もな!」
少し話し合った後チームZは次の作戦会議があるからとその場で別れた。私も部屋に戻って勉強の続きしないと。
「つーかさ、久遠のやつ遅くね?」
「珍しく長風呂だなー」
『…?』
『…ねぇ、君』
すれ違った時の違和感。
暫く彼の歩く後ろ姿を見てから声をかけた。話しかけられた本人は何で自分が呼ばれたのか分からない様子でこちらに振り返った。
「…何?」
ピンク色が印象的な選手。いいなぁ、強烈なビビットピンク。すごく可愛い。いや、違う今はそこじゃない。
『…間違ってたら悪いんだけど、』
『足、怪我してる?』
「……え、」
小さく声をもらすけど、表情は対して変わらない。あれ、やっぱり違った?
「…何で?」
『え、あー…左に少し重心が傾いてるから。怪我をして痛がってるていうか、多分無意識に右に重心をかけないようにしてる?ただの癖なのかもしれないけど』
「…」
無言でこちらを探るように見つめる。
…やばい、私の“悪い癖”が出た。
『…あの、ごめんなさい。不快にさせてしまったら…』
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苺子(プロフ) - ぺんぺんさん» コメントありがとうございます!読んで頂き嬉しい限りです(*´꒳`*)これからもよろしくお願いします! (2023年3月18日 23時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぺん(プロフ) - 最初からとっても面白いので、ついつい熱中して呼んでしまっています・・・。これからも頑張ってください!! (2023年3月17日 20時) (レス) @page28 id: 0923c869aa (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!今あなた様に出会えたことに感謝です((更新頑張ります!(*'▽'*) (2023年3月15日 22時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼します!もっと早く見つければ良かったです。好きです!応援してます (2023年3月14日 13時) (レス) id: 0e75ff5f17 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます!雪宮くんに振り回される夢主です((これからもよろしくお願いします…! (2023年2月4日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺子 | 作成日時:2022年11月29日 16時