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風が私の髪を撫でていく。
風が香りを運んでいく。
「気持ちいい…」
翔也を待つ間に大学の綺麗に剪定された芝生で
目を閉じて色々考えていた。
翔「A」
「あっお疲れ様」
翔「ありがとう。Aもね」
ちょこんと隣に座った彼。
歩きながらとか考えていたけど
自然と腰を下ろした彼に
このまま話す事にした。
「私、ちゃんと翔也に伝えてなかったよね」
翔「ん？」
「…翔也と今はお試しじゃないけど
一緒にいるってことになってると
思うんだけど…あってる？」
翔「うん、あってる」
「その事なんだけど「A」
話を遮られて口元にはチョコレートを
差し出されて
「え」
翔「食べて？」
「あっうん…」
口に入れると、喋れなくなるんだけど…
翔「本当にごめんね。
俺から話してもいい？」
頷いて返事をするとありがとうって小さく笑った彼は
翔「お試しって自分から言ったんだけど…
やっぱりちゃんと付き合いたいなぁって」
「…うん」
翔「うん…それで…え？
今、うんって。あ、相槌？」
「ううん。ちゃんと付き合いたいってこと」
翔「あ、そうなん…だ？！え？！」
「それを言おうと思ったの(笑)」
あからさまに嬉しそうに笑う翔也に
「このチョコレート甘いね(笑)」
翔「でしょ？(笑)
あのさ…付き合ってくれますか」
「私でよければお願いします」
翔「え！本当に？！やった…！」
「色々ありがとう」
翔「ううん。俺こそありがとうだよ。
あ、あのさ、美味しそうなチョコレート屋さん
見つけたんだけど行かない？」
「いく！」
少しでも近くに感じたくて
手を差し出すと少し恥ずかしそうにしながらも
その手は翔也の手の中へと収まっていた。
翔「小さい」
「翔也の手は大きいけど綺麗」
翔「ありがとう」
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作者名：Chii。
| 作成日時：2021年10月5日 23時
