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「じゃあまたね」
翔「本当に大丈夫?」
「大丈夫(笑)」
翔「じゃあ学校で」
先に降りる木全くんを電車内から見送って
私は最寄り駅で降りて改札を抜ける。
のんびりと歩きながら今日のことを
思い出していると…
「A」
「何で…」
昔付き合ってた人がいた。
もう名前すら言いたくない…。
「話したくて…」
「私、話すことないから」
彼の横を通り過ぎようとした時に
腕を掴まれて振り払おうとしたら
私の手から落ちていった袋。
「あっ、ちょっと!」
「…買い物?」
「別に良いでしょ」
「…男?」
「関係な「何してんねん」
「碧海…」
私達の前に現れたのは碧海だった。
碧「…何でアンタが此処に居んねん」
「Aに話があったんだよ」
碧「今更?」
「お前には関係ない」
碧海は彼のことを知ってる。
色々あった時も助けてもらったから…
碧「ほんまええ加減にせぇよ?」
「またくるわ」
碧「もう、来んでええよー」
彼は立ち去り私は落ちた袋を拾い始めて
碧「大丈夫やった?」
「うん…」
碧「今日、翔也と出かけたん?」
「…うん」
碧「楽しかった?」
「うん…楽しかった」
コンクリートにはまたも落ちたチョコレート。
中身は出ていないから食べれるんだけど…
それを黙って拾ってくれる碧海。
「ねぇ、碧海…」
碧「ん?」
「楽しかったのに…」
碧「大丈夫やって」
「碧海ー…」
思わず碧海に抱きつこうとしたら
碧「おっと。ダメやん。俺やないやろ?」
あっち見てみ?って指さされた方を見たら
翔「Aちゃん!」
「木全くん?!」
翔「大丈夫だった?!」
「だ、大丈夫だけど何で…」
碧「じゃあ後は任せたで、翔也」
翔「うん」
立てる?なんて優しく手を差し出されて
私は自然とその手を取っていた。
翔「帰ろ」
「うん…」
握った手は離されることはなく
少し強めに握られた木全くんの手は
男の人の手だった。
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作者名:Chii。 | 作成日時:2021年10月5日 23時