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toa side.
「…え、なにこの空気。Aどっか行ってもうたし。なんなん」
ポカンとしてる西村くんに、
斗亜と琉巧が一連の流れを説明する。
こたちゃんはちらちらこちらを気にしながらも風雅の相手をしてて、
「あー…なるほどなぁ」
斗亜と琉巧の簡単な説明である程度状況を理解してくれた西村くんが小さくため息をついた。
「とりあえず俺A追っかけてくるわ」
「あ、うん…斗亜も行こか？」
「や、とりあえずは大丈夫かな。琉巧もありがとね」
「いや、俺は何も…むしろなんもできんかったから、なぁ斗亜」
斗亜もやけど、たぶん琉巧も
まさかこんな大事になるとは思っていなかったから
黙って見ていたことを気にしているみたいで。
こんなことなら斗亜もちゃんと止めに入れば良かったな。
Aを追いかけるって言った西村くんが
脱ぎかけていたアウターをもう一度羽織り直して
くるりと振り返って風雅の方を見る。
「風雅」
「……………」
「俺、Aのこと追いかけるけどいいねんな？」
射抜くような視線でまっすぐ見つめる西村くんの言葉に
風雅はやっぱり黙ったままで。
いいねんな、ってもう一度強く西村くんに聞かれてようやく口を開いた。
「…べつに、俺には関係ないらしいし」
拗ねたように呟く風雅に西村くんがわざとらしくため息をついた。
呆れたような、しょーもなって言いたげな顔。
「あっそ。なら好きにさせてもらうわ」
風雅にそう言い放ったあと、
すぐ斗亜たちの方を向き直して「行ってくるな」って困ったような顔の西村くん。
部屋から出る直前、立ち止まった西村くんが風雅の方を振り向いた。
「風雅には関係ないと思うけど、A泣いてたで。まぁ関係ないと思うけど」
その一言に、風雅の顔が一気に歪んだから
ほんま西村くんは風雅を煽るの上手やなあって
こんな時やのになんだか、感心してしまった。
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作者名：しゃけ
| 作成日時：2024年1月9日 23時
