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見世物小屋で 4 ページ9

「ここを出る方法さ。」
「方法……と、言いますと?」

一呼吸おいて、蘭はゆっくりと語り始めた。

「ここは金で女を買う場所。それを永久のモノとしたい……そう思う男は少なくない。」
「確かにそうですね。ここではなく…自分の家での方がお金はかからないし、永久に出来ますもんね。」
「ああ、そうさ。
だから、この店は…ある特別な措置を取った。
それが身請け。」

身請け。牢獄の中では聞いたことがなかった。
でも目の前にいる蘭は、この場所の一番人気を占める花魁。だからこそ、知る情報は多大なものであるはず。

「身請けとは、何でしょう?」
「ここの女を永久に自分の物にする所有権を与えられるんだ。……あたしも、もうすぐ身請けの日がくる。」
「……そんな。」

自由になりたい。いつからそんなことを望んでいたのだろう、と蓮月は思った。

「ま、身請けにはかなりの額が必要だよ。その花魁の地位によるけどね。だから富裕層を狙い目に始めたんだ、身請けを。」
「そうなんですか。」
「蓮月。あんたも頑張りな。
ここよりは多少なりとも自由が保証されるから。」



それが蘭と蓮月の最後の会話だった。
その日を境に、蓮月は客の心を掴み、弄ぶような仕草をするようになったという。

幕間劇 憂いの孤独→←見世物小屋で 3



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作品ジャンル:純文学, オリジナル作品
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作者名:みりんちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fbkkydi/  
作成日時:2014年11月23日 21時

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