飛ぶ鳥の想い 3 ページ17
「今夜」
「今夜」
そう思い続けて何日が経ったのか。
身重の身体だとは分かっていても、仕事はしないといけない。だから悪阻(つわり)の酷い時も耐えて耐えて、どうにか作り笑いをしてやり過ごした。
こんな時にこそ、飛鳥様に会いたい。
そう思っていても、飛鳥はこの所全く来なくなっていた。
幻滅したのだろうか。嫌われてしまったのだろうか。そんな不安なことばかりが頭をよぎる。
「蓮月！」
「何でしょう？」
嫌な予感がした。もう、仕事が出来ないとか、子供が出来たと知られてしまったとか…そんな類いのことの話かと思った。
が、それとは別の、予想だにしなかった言葉が口から漏れた。
「こちらの方が引き取るそうだ。」
「久しぶり、だね。」
愛しい彼の姿。もう何日、いや数週間ほど会っていない彼が、今目の前にいる。
「ひ、引き取る……？！」
蓮月級の引き取りはかなりの高額で金持ちだけの特権。それでも彼はその高額な金額を払って、蓮月を手に入れ、引き取ることにした。
「……っ…！！」
自由、なんだ。
そう思った少女は涙を流した。
自由のない檻からの脱出。そして、嘘だらけの世界からの釈放。
彼の差し伸べた手は、少女にとっての救いの手。
彼は言う。
「必ず、蓮月を迎えに行くって決意してたから。」
(あぁ。私は…僕は、この
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作者名：みりんちょこ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fbkkydi/
作成日時：2014年11月23日 21時
