混血皇女【オリジナル】 (ページ2)

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狭き籠の少女 1 ページ2

「姉さん！」

姉が大好きな弟。
弟が大好きな姉。

「何？どうしたの？」
「もうすぐお父様が出発するよ！」

まだこの島から出たこともなかった二人には。
このあと起こる事件の存在は知らなかった。

冒頭から２週間ほど経った、真夏の夜の月明かりが綺麗な晩。
少女の左腕に結界のようなものが見つかった。

見つかった、というより出来たというのが正しいかもしれない。

「何、これ…？」
「……え？何だろう…」

それを見た弟が調べてみると、

「…その結界を張られた者が死亡するまでは成長が止まってしまう。なお、その結界は消そうとしても消えない。」

と書物に書いてあった。
少女は愕然として肩を落とした。

「…どうして？なんで？」
「こんな時、お父様がいれば……」

父親はしばらく京に出ている為に帰ってこない。そして解けない魔法。

誰かが意図的に、この状況で少女に結界を張ったとしか言いようがない。
それなら誰だ？

昨日まで無かったこの結界を張りつけるなんて、出来るのは…と勘繰ってはみたものの、
当時、皇子や皇女にそんな大人数で探す権限があるのかと言えばなかった。

そんな中での結界の発見は
何の権限も持たない彼等にとって、絶望させるにはとても都合の良い材料だった。