Morning / Side;子犬 (ページ4)

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Morning / Side;子犬 4 ページ4

『なに？！びっくりするやん！！もう！！』
「チューして！」
『は？』
「イッテキマスノチュー！！」
『はぁぁあ？！』

花の両肩に手を添えて漫画のように口を突き出して俺は花との接吻を試みた。

ばごん！

花が、持っていたバッグで思い切り俺の左頬を殴ってきた。
もう一度言う。殴ってきた。
この表現は適切だ。

「痛っってぇぇぇぇ！」
『ばっかじゃないの？！何考えてんのよ！』
「ばかとはなんだぁ！愛おしい恋人同士の正しいスキンシップだろぉがぁぁあ！」
『はぁぁ？！何がスキンシップよ、このすけべ！こっちはこれから仕事だっつーのに！ほんと信じらんないっっ！』
「んだと、こんにゃろぉっ」
『わっ……』

花の怒りの口撃はお構いなしに、
二人の間に生まれた隙間を埋めるように
花の左手首を引っ張って、再びその身体を自分の手中に手に入れた。
さっきよりもずっと力強く。

『……てっちゃん…？』

違和感に気づいた花が声音を落として俺の名前を呼んだが、
それには反応せず、手に入ったこの柔らかい物体を堪能する。
肩から腰にするすると両腕の置き場をずらし、
鼻先を頭に埋めた。
お気に入りのローズのシャンプーの香りが香ってきた。、
すーっと音を立ててそれを吸い込む。
口先で形のいい俺の大好きな耳を甘噛する。

『……ん…なぁに……？』
「いや……別に、こうしたいだけ」
『変なの……』

さっきの戯れも、
なんだか今日はこのまま行かせたくなくて起こした行動だ。
花はくすぐったそうに身動ぎしているが、
先程の勢いは影を潜め、おとなしく俺に抱きしめられている。