運命なんて信じない８ (ページ7)

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春らしい日が続いてきた３月初旬。
いよいよ颯太さんのＭＶの撮影が始まった。

凜はパパみたいにテレビに出る！と、張り切ってる。
遥香はぐずらないでくれればOK。

問題は舞香だった。
最後まで反対してたし
何より舞香が“ray”として出演するのか
それとも舞香として出演するのか。
そこで颯太さんとバトルを繰り返してた。

確かに前作は“ray”として出演していた。
だけど今回は俺が目黒蓮として出演するから
相手役“ray”で、しかも結婚相手だったと分かれば
またマスコミがうるさくなるのは目に見える。
仕事にも支障をきたすのではと心配していた。

結局、舞香も颯太さんも譲らず
当日の様子で決めることにした。
この兄妹はなかなかに頑固だからね。

凜も遥香もご機嫌良し！
舞香は……微妙(笑)

準備をしている舞香。

『まーいか。どした？』

「……やだ。行きたくない。」

あ、これはかなり難しいぞ。
バックハグしてみる。

『行きたくない？一緒に行こ。凜と遥香も待ってるし。俺も一緒だしさ。』

「…だから嫌。蓮くんの評判が下っちゃう。」

え？今、何て言った？

『どういうこと？』

「だから、私が“ray”ってことよりも、目黒蓮の妻が私ってことが蓮くんの評判下げちゃうもん。」

『ふはっ、そんなこと？』

「ひどい！そんなことじゃないのに…」

『いつも言ってんじゃん。舞香は俺の自慢の舞香だよって。むしろ評判が下がるんじゃなくて、上がるの。あんなきれいな人を奥さんにしてるのすごいってさ。だから大丈夫。』

俺の評判が下がるって心配してたんだ。
ほんっとーに、うちの奥さまは可愛い！

半分涙目の舞香を正面から抱いて頬を両手で包む。
今にも涙が零れ落ちそうな瞼にキスをする。

『大丈夫。舞香は自信持って。俺の目黒蓮の自慢の奥さんでしょ？』

優しくキスをすると少しだけ力が抜けた。
包み込むようにもう一度、抱きしめる。

『俺の自慢の舞香だって、俺は見せつけてやるよ。』

「…いいの？…私で…」

『まーたそういうこと言うし。あんまり言うと、みんなの前でキスするよ？』

「そっ、それは嫌。」

『でしょ？俺はしたいけどね(笑)』

「…蓮くんのばか。」

泣いたと思ったら、今度はプリプリしてる。
ほんと可愛いよ。

舞香のご機嫌も直ったところで
家族４人で出発！

一体、どんな撮影になることやら。