運命なんて信じない８ (ページ36)

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The end of fate ページ36

(maika side)

深澤くんにお願いをして、佐久間くんに会った。
病室で会うのは躊躇われたけど仕方ない。

病室に来て私を見た佐久間くんは
言葉が出ないほど驚いていた。
そりゃそうよね。いきなり病室だもの。

そんな佐久間くんに私はお願いをした。
蓮くんと遥香のことを支えてほしいと。
本当はこのお願いが佐久間くんにとって
重荷になることは分かっていても
佐久間くんにしかお願いできないことだったから。

佐久間くんの気持ちはいつの頃からか気が付いてた。
思えば結婚してすぐの頃かもしれない。
メンバーでの食事会や家の引っ越しとか
メンバーで集まる機会の度に
私が“蓮くん”と呼ぶと、いつも作り笑顔で見てた。

でも決して想いを口にすることはなく
ずっと友人関係のままだった。
いつも良き友人として私たちを支えてくれた。

そんな佐久間くんだからこそ
蓮くんの気持ちを一番理解してくれると思った。

彼は私への想いを口にしそうになったけど
私は聞いてしまうことへの罪悪感が大きく
彼の言葉を塞いだ。

私をずっと想っていてくれた彼を開放したい。
それなのに蓮くんを支えてほしいと願う私は
やはりわがままな人間だ。

さっくん、こんな私を好きでいてくれてありがとう。

(mm side)

年が開けて舞香は少しではあるが体調が安定してきた。
副作用もかなり落ち着いてきたのが大きい。
目にも光が戻り始め、一人で不安を抱えることもなくなったように見えてきた。
不安を口にしてくれることもあり
俺としては少し安心して見ていられる。

検査結果も想像以上に良好で
今月中の退院も許可された。
今後は１ヶ月の静養の後で、治療をしながら復職することになった。
舞香の望んでいた治療と仕事の両立だ。

舞香にはもう自宅に戻ってと言われたけと
俺がまだ心配だから退院までは一緒にいることにした。
元気になってきた分、無理はしないでほしいからね。

そして俺が主演した大河ドラマの放送が始まった。
舞香は始まる１時間も前からソワソワしてた(笑)

「何か発表会前の気分ねー。ドキドキするわ。」

『俺は凜かよ。一応、ベテラン寄りてすよ。』

「でも今までとは違うの。大河だもん。やっぱり別格よー。」

『そっか。舞香がそんなに言うなら演じて良かったよ。』

そう言うと首をブンブンと縦に振り

「もうね、自慢の旦那さまよ。」

なんてまた可愛いこと言ってくる。
元気になってきたら、あざとさも復活してきた？