運命なんて信じない８ (ページ20)

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Inevitable fate ページ20

１日オフの俺。
凜は医局から帰ってきてないし
遥香も大学に行ったから
家にいるのは俺とルナだけ。
舞香がいたらなぁなんて思うけど
今や舞香はセンター長。
結構忙しく動いてる。
あんま無理しないで欲しいんだけどね。

次の作品の台本を読んでいると
携帯の着信音が鳴った。
凜からだ。
確か今日は舞香のオペ見学って言ってたな。
手技に驚いて電話してきたか(笑)

『どうした？』

凜「父さん！母さんが…」

『ママがどうした？』

凜「オペ終わってすぐに倒れた。」

『倒れた？！それで今は？！』

凜「色々と検査してる。俺…怖くて…」

『凜！お前医者だろ？しっかりしろ！パパ行くから。』

俺は急いで舞香の元へ向かった。

東都医科大学循環器センター。
ここは舞香の職場だ。
舞香が就任してから初めて訪れたのがこんな形とは。

正面玄関で凜が待っていた。

凜「父さん！」

『凜！ママは？』

凜「まだ検査してる……」

『大丈夫だ。ママ、今朝食べないままオペしたんだよ。貧血じゃないのか？』

凜「オペ中は普通だったんだ。手技もすごくて勉強になるって見てた。そしたら終わった直後……」

『終わって緊張が解けたんだよ。大丈夫。ママなら。凜、お前医者だろ？』

凜「そうだけど…遥香が生まれた時のこと思い出してさ。そしたら怖くなった。」

幼かった凜だが、記憶に残っていたんだ。

『大丈夫だ。あの時もママ、戻ってきただろ？とにかく待ってよう。』

震える凜の肩を引き寄せ、背中を撫でる。
大丈夫。舞香なら。

ス「センター長のご家族ですね？」

『はい。目黒舞香は家内です。』

ス「説明がありますので、こちらへどうぞ。」

処置室隣の部屋に入った。
中には30代後半の男性医師がいた。

？「センター長のご家族ですね。」

『はい。』

？「検査を担当した神林と申します。」

神林？どこかで聞いたことがある…

神「センター長の検査結果ですが、１つ気になる点があります。」

『気になる点ですか？』

神「はい。お二人ともドクターですので単刀直入にお伝えします。センター長の膵アミラーゼの数値が高いことです。気になりましたのでCA19-9、SPan-1、DUPAN-2、CCA19-9、SPan-1、DUPAN-2、CEA、CA50を測定しました。」

『膵アミラーゼ…まさか…』

神「はい。すい臓癌の可能性を視野に考えています。」

舞香が、すい臓癌？
まさか…

神「血液検査だけではなく、明日、MRI検査をしますが、よろしいですか？」