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物音で目を覚ますけど、昨夜の余韻が残る気怠い身体を動かす気にはなれない…。
一晩中、私を包んでくれてた香りと心地よいぬくもりを感じられず寂しくて瞼を持ち上げた。
視線だけを動かしてると、それに気づいた翔さんがふんわりとした笑みを浮かべながらベッドに近づいて来てその淵に座った。
「おはよう。身体はどうだ？つらくねぇか？」
「…大丈夫…です//」
昨夜の情事を思い出し、照れる私の頭をゆっくり撫でて、その手をほっぺまで下ろしすっぽりと包むとチュッとおでこにキスを落とす。
翔さんが醸し出す甘くとろけるような空気に耐えられずに布団を顔まで被った。
「ククク…可愛いなぁ…お前。」
からかうように笑いながらポンポンと布団の上から叩かれ…
「A？出て来いよ。」
って誘惑する甘い声。
布団を目の下まで下ろし、上目に翔さんを見ると優しく目を細め微笑んでる。
「可愛いお前とこのままベッドでイチャつきたいのはやまやまだけど、そろそろ帰らねぇと兄貴が乗り込んで来そうだ。」
「え？」
「『無断外泊した』って大騒ぎらしいぞ？」
もぉ〜…和くん…
自分の兄ながら恥ずかしい…。
「潤が飯作ったからそれ食って帰るぞ？」
「潤さんが…？」
「あぁ。あいつ料理が趣味なんだ。」
「そうなんだ…今度教わりたいな。」
にっこりと笑うだけの返事をして、床に散らばってた私の服を拾い集める。
「あっ！」
スカートの下から下着が出てきて咄嗟に手を伸ばすも、避ける翔さん。
「翔さん！それはダメ！」
「せっかく俺に見せる為の下着着て着てくれたのに昨日は見る余裕なかったから今見たっていいだろ？」
「もぉ！バカ！返して！」
裸で私が布団から出られない事をいい事に、わざとらしく広げてる。
「翔さん！」
「あぁでもやっぱ、お前が着てるのを見てぇな。」
「もぉ！！バカ！！嫌い！！」
「ククク…ははは。」
お腹を抱えて大笑いする翔さんに枕を投げつけて、布団を上手く身体に巻きつけ下着を奪い返した。
「ははは…ごめんって。そんな怒るなって。」
プイとそっぽ向くけど、クイッと翔さんの方に向かされおでこを合わされる。
「ふくれっ面も可愛いな。」
隠す事なくただただ甘さをダダ漏れさせる翔さんに本気で怒る事なんてできず…
上から降ってきたキスの甘さに溶かされた…。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2018年4月17日 19時
